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【委託】卵怪談

  • え-02 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • たまごかいだん
  • 海崎たま
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 56ページ
  • 300円
  • 2016/03/21(月)発行
  • 「孵らなかった卵の中には、生まれなかった僕の妹。」
     兄と妹、祖父と孫。卵を巡る、怪談短編集。
    全ての、家と家族を捨てたい人へ。
    (2015年にText-Revolutions2の公式アンソロで書かせていただいた、「卵」というお話を改題して再録したものと、書き下ろしを収録した全2編の怪談短編集です。

    『バイロン本社からのここがお勧め!』
    怖い話だ、と思う。
    第一話目の妹の心境の変化、あるいは第二話の祖父が抱いていた闇について、捨象してしまうならば、怪異らしきことは各話、卵1個分しかおきていないのだが。
    兄の手前勝手な「愛情」(もちろん兄にとってはそれは嘘偽りない真実であったろう)と言う名の卵の殻、祖父の「過去」を封じ込めた卵の内。
    白くまろやかな姿をして、卵のうちに閉ざされた闇は深い。それは、「家」の内に閉ざされた家族の抱える闇のように。
    「あるようでない、ないようである」怖さの、産みたての卵の殻のような、仄あたたかい、ざらりとした感触に怯える作品。

    【収録作より抜粋】
    『卵怪談 第一夜』
     「さあ、妹よ。お前はこれから、神様の嫁になるのだよ。毎晩大事に、これを胸の中に抱いて眠りなさい。一人の夜は寂しいだろう。せめて親鳥が雛に見せるような、優しい夢を見て眠りなさい」
    妹は兄の言葉をまどろみの中で聞いていた。そして兄が去った後、もう一度眠りについた妹は夢と現実のあわいのような夢の中で、大きな白い鶏と接吻をして一つの白い卵を産んだ。

     『卵怪談 第二夜』
     早く逃げ出したい。この家から。早く、早く逃げ出したい。この家と、狂った祖父から。
    雛の死骸の詰まった卵から。 黙り込んでしまった僕の様子に気付くはずも無く、祖父はにこにこと卵を赤子のようにあやし続ける。
    白酒の甘ったるい匂いと、漂う線香の白檀の香り。異郷のような二つの香りが鼻先で妖しく混ざり合う中で、己の憎悪が生まれて初めての酔いと共に、静かに陶酔していくのを感じた。
     機は熟したのだ。
    次に訪れる春に、僕は、この狂った老人を捨てる。
    (URLから、収録作「卵怪談 第一夜」の全文をお読みいただけます。)

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