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【委託】鯨の兄弟

  • え-02 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • くじらのきょうだい
  • 海崎たま
  • 書籍|新書判
  • 140ページ
  • 500円
  • 2018/05/06(日)発行
  • 僕の兄さんは、鯨です。
     今だって、海のどこかを孤独に泳ぎ、低く悲しい獣の声で、歌を歌っていることでしょう……。  全てを腐食する毒の潮風が吹く港町。
     その町では、鯨と人間の双子が生まれる。
     
     生まれてすぐに海に放たれる鯨の赤子は、十八歳になる誕生日、潮風に連れられて、町の海岸の洞窟「くじら岩」に一日だけ帰って来ると伝えられている。  周囲から「鯨の兄弟」と揶揄されて育った少年アルは、母が死んだ翌日、十八歳の誕生日に、鯨の兄と再会するため、たった一人でくじら岩に向かうことを決意する……。  表題作の「鯨の兄弟」他、三匹の猫を愛する謎めいた少年と家庭教師の孤独な交流を描いた「猫の教え子」、  幼き日の無邪気で残酷な過ちが歳月を経て、ついに破滅へと至る「蟹の花嫁」、  薄暗い異様な町で、全ての音に音楽を聴き続ける少女・トーコの、夕暮れの一幕を描いた「鶏の飯事」(昨年度発行「文芸アンソロジー トリカラ」寄稿作品の改題再録)など、人と動物に材を取った全五篇の短編集。
    (リンク先より、収録作「猫の教え子」の全文をお読み頂けます)

    「バイロン本社からのここがお勧め!」
     表題作を含め、不条理な物語のなかに人の昏い望みと歪みを描き出す短編集。
     ものがなしい気配、薄暗い佇まい、寒々とした風の音の背後に隠された、魂に届く言葉の刃。
     現実世界のおぼつかなさに気づいてしまう物語集です。
     家族の危機に作者の見た悪夢を題材にした「胡蝶の姉」を巻末に収録。かなり怖い。

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