『自分の中の暴力性』『古いもの』というテーマを主軸に据え、大滝のぐれ、穴蔵こもり両名が書き下ろした小説を収録したテーマアンソロジー。へこむほどに殴られる、内で煮え立つなにかを捉える作品たちがここに。
・車海老の家 大滝のぐれ
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佳枝と隆、二人の夫婦が住む家にとつぜん送られてきた活き車海老の箱。
おがくずが詰まった差出人不明のその箱の中には、なぜか二人の間を過ぎ去っていったはずのものが入っていて……。
掘り返せたものと、掘り返せなかったもの。そして箱の外と中を巡る話。
・レプリカ 穴蔵こもり
夜遅くまでネットゲームに熱中する高校生・碓氷優は、学校で起こる嫌がらせの噂を聞く。やがて、嫌がらせが優の周囲でも発生し……?
内に秘めた醜さに苦悩する人間の物語。
・大浴場 大滝のぐれ
妻と温泉旅行に来た男。しかし、ホテルの大浴場でシャワーを浴び始めた彼の後ろに突然『なにか』が密着し、首筋をなでてきた。困惑する彼の間を、ありとあらゆるものが触れ、音を出し、通り過ぎ、掴んでくる。その中で、視界をふさがれた彼が掬い上げたものとは。
曖昧なふくらみに爪を立てるような、繊細な狂気の話。
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