【ローファンタジー】【恋愛】【オカルト】期限の切れたハッピーエンド【R18】

• 熱海-08 (恋愛)
• きげんのきれたはっぴーえんど
• さびき
• 書籍|新書判
• 230ページ
• 1,300円
• https://www.pixiv.net/novel/s…
• 2020/10/31(土)発行

• 腐りかけた、幸せ。

  
  
  
  ある時、陸の王子様に一目惚れをした人魚の姫は、海の魔女に王子と会う為の脚が欲しいと頼みました。
  「お前が王子と結ばれなけりゃ、お前は泡となって消え、お前の残り寿命もこのあたしが頂くよ。その代わりお前が王子と結ばれたなら、いつまでも二人仲良く暮らせるだろう」
  王子の周囲には沢山の女性がいて、人魚姫は失恋するしかないように思われました。しかし、王子は実は吸血鬼で、人間の女性など彼にとっては餌でしかなかったのです。
  人魚の姫もまた人間ではありませんから、その事が王子の興味を引き、やがて二人は結ばれました。
  二人は海の魔女の言う通り、いつまでも幸せに暮らしました。
  いつまでも、いつまでも、いつまでも……
  
  しかし二人は不老不死なので、いつになっても「めでたしめでたし」は訪れる事がありませんでした。
  
  
  
  元人魚を愛しているからこそ死にたい元人間の吸血鬼と、心を手にしたからこそいつまでも二人幸せに暮らし続けたい元人魚の女性。
  自ら望んで変身をした者と、望まず変身させられた者。
  海の姫だった者と、陸で王の如く振舞う者。
  それぞれかけ離れた価値観の中で、それでも愛し合っているからこその苦しみ。抗えない定め、叶わない理想。
  
  死にたい夫と生かしたい妻の堂々巡りに果たして決着はつくのか？というような話です。
  
  ※R18ではありますが、直接的な性表現は数ページ程度しかありません。
  
  
  表紙・本文内挿絵：にに　様