【現代】【ローファンタジー】【恋愛】少年と悪い魔女 目覚めの章

• 熱海-08 (恋愛)
• しょうねんとわるいまじょ めざめのしょう
• さびき
• 書籍|新書判
• 340ページ
• 1,500円
• https://www.pixiv.net/novel/s…
• 2019/12/17(火)発行
• 様々な女性と少年の恋愛の形を描く短編集です。
  pixivに公開しているものに加筆修正、書き下ろしを加えたものとなっております。
  シリーズ三部作の下巻にあたり前作を読まずともお楽しみ頂けますが、一部の作品はシリーズ（特に『リンゴの章』、あるいは『期間限定ネバーランド』）を読了済みだと、よりお楽しみ頂けます。
  
  
  
  ・淑女のマッチ非売品（書き下ろし）
  
  「これでもまだ気付かないのですか？
  それとも、まだ気が付きたくないのですか？」
  
  『慰めの館』と呼ばれるどこにもいけない洋館の中、唯一の人間であるくれはは、何故自分がここにいるのか、と考えるのを放棄して日々を惰性に過ごしていた。
  機械人形の少年と、悪霊の少年。
  非現実的な二人の少年と過ごす、何一つ欠けたものがない不思議な箱庭。
  しかしその日は時計の音がいやに目立って、彼女の目覚めを促していく。
  ※『リンゴの章』を知っていると、よりお楽しみ頂けます。
  
  
  
  ・柱時計の中の山羊（加筆修正）※軽度の性表現あり
  
  「ねえ、姉さん。愛する事は呪いだね」
  
  私は幸せでした。聡明で優しい弟、理解のある両親、恵まれた環境に、初恋の人と晴れて婚約関係になって。
  家族で過ごせる最後の夏に、弟は私と二人で旅行がしたいと言いました。
  私もこれを機に弟離れしなくてはならないと思い、快諾しました。
  良い思い出になる、筈でした。
  しかし聡明な弟は、幼い頃に私とした約束を健気に覚えていたのでした───
  
  幸せの中にいたお姉さんとその弟の、地獄で愛を貫く話。
  
  
  
  ・逆位置的ピュグマリオン（書き下ろし）
  
  恋をしている、とても不毛な。
  
  名のある博士を父に持つお嬢様のユーディットが五歳の誕生日に貰ったのは、美少年型全自動入浴マシーン。
  おねえちゃんが欲しかったのに！　と最初は駄々をこねていたものの、高性能な機械人形のその少年は、彼女の兄、友達、使用人と関係性を変えながらもずっと彼女の傍にいた。
  ユーディットは成長しても、彼の身体は少年のまま。
  
  これは、とある女性と機械人形の断片的な記憶。
  
  
  
  ・深層ピノッキオ（書き下ろし）
  
  「貴女が生きている限り、貴女の傍におりましょう」
  「絶対よ、約束してね」
  
  ユリウスと名付けられた機械人形の少年には、その女性が全てだった。
  その人の為に動き、その人の為に考え、その人の為に言葉を紡いだ。
  その女性に、恋愛感情を持ってはいけなかった。
  恋愛感情を抱いたとしても、それを表出する事を禁じられていた。
  機械人形として存在するには───彼の感情機能は、あまりにも高性能だった。残酷なまでに。
  
  これはとある機械人形の、ただ一人の主人の断片的な記録
  
  
  
  ・金となりて星が降る（書き下ろし＋一部再録加筆修正）
  
  『少年と悪い魔女』過去作品収録の
  『その短剣で胸を刺すの』
  『果たしてかぐやは姫なのか』
  『期間限定ネバーランド』
  のif小話。
  ※単巻でもお楽しみ頂ける様配慮はしてありますが、各本編を知っているとよりお楽しみ頂けます。