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【純文学】【歴史】ベートーヴェン交響曲「幻影」

  • 熱海-23 (現代)
  • べーとーヴぇんこうきょうきょく「げんえい」
  • 藍崎万里子
  • 書籍|四六判
  • 544ページ
  • 1,000円
  • 2016/10/15(土)発行
  • この作品は、『アマプレベス  ミスター・ベートーヴェン、ミス・モーツァルト』の続編です。
      前作では十六歳のベートーヴェンのほんの二週間を描いていましたが、今作では、十六歳から三十二歳までのベートーヴェンの人生を、史実になるべく充実に、書いてみました。  芸術至上主義という信念を持ち続けつつ、真実とは何か、真理とか何か、について思い悩み、生まれ故郷のボンにいるときは、音楽家になるべきなのかすら、考えています。
      二十二歳のときに、ついに第二回ウィーン留学を果たしますが、そのきっかけになったのは、ベートーヴェンがただ一人認める音楽家モーツァルトの死でした。
     前作で、第一回ウィーン留学のことが書かれていますが、そこでベートーヴェンはモーツァルトと激しい恋に落ちます。しかし、ベートーヴェンの母親が危篤になり、たっだ二週間で故郷のボンに帰ってしまうのです。
      ベートーヴェンは、いつまで経ってもモーツァルトを忘れることができません。周囲に「第二のモーツァルト」と呼ばれ、悩みながらそれを甘受し続けてますが、そのうち限界がきます。
      ベートーヴェン自身のことを本当に考えてくれている人たちが、ベートーヴェンに「モーツァルトから離れろ」と忠告します。ベートーヴェンは、少しの抵抗を感じながら、それらの助言を受け入れていきます。
      そして、時代は革命戦争からナポレオン戦争へ。ベートーヴェンは、ナポレオンに着目するようになります。大きな新しい音楽の主題のためにナポレオンを選び、モーツァルトを忘れる決意をします。そうして、ベートーヴェン交響曲「英雄」が生まれるまでを書きました。
      少々、思想哲学が極論に走っていますし、「たくさんの頭と、たくさんの心と、たくさんの魂をもった怪獣」とハイドンが評したその音楽のように、思想が奇怪ですが、それも味付けと思っていただければ幸いです。
     よろしければ、どうぞ。

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