こちらのアイテムは2018/7/16(月)開催・第7回 Text-Revolutionsにて入手できます。
くわしくは第7回 Text-Revolutions公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

泡盛さん・9巻

  • I-22 (SF)
  • あわもりさん・きゅう
  • つんた
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 280ページ
  • 700円
  • 泡盛さんシリーズ。恒例によりシリアスとギャグいり。
    私は犬になっちゃいました、パパ王編など掲載。

    「またおとなしいですね、父上」

    「仕方ないだろうっ。騒ごうとすると犬の鳴き声になりそうなんだからなっ」

    息子の自宅に今日はお泊り。妻は勤務中。

    「おまえ一人なのか」

    「ええ。父上、ほんとに犬で良かったですね…」

    「どういう意味だ」

    「いえ…」

    失敗した料理を渋々食べているとは言えず。

    「それは、なんだ」

    「食べてみますか、父上」

    差し出されたブツ。一舐めして狆、もといエドワード王は飛び上がった。そして水を飲んで、ぺっぺっと吐き出した。

    「何をするか、父を暗殺する気か、エドワード」

    げろっげろっ。変な声だしてまだ何か吐いている犬。

    「何なさっているんですか、お二人とも」

    帰ってきたトマスがそう聞いた。

    「…えらく吐いてしまいましたね、陛下」

    「毒を食べせさせられたんだ、こいつに」

    テーブルの上の皿から一摘みしたトマスはえも言われぬ顔をした。

    「…またスパイスの量間違えたんですか、殿下」

    「また、とは」

    「よくこういうのを、ですね…殿下、妃殿下の真似なさったんですか」

    「それは…したよーなしないよーな」

    「なんだ、その真似とか言うのは」

    「妃殿下の料理は…グッチャグチャなんです、こんな感じに」

    抱き上げてトマスがテーブルの上を見せた。

    「見るからに不味そうだな、いや実際不味いけど」

    「作り直してきますね」

    トマスが皿を手に台所に向かった。

    「作り直せるのか」

    「ええ、ターメリックとブイヨンスープでのばして、鶏肉加えてチキンカレーにします、ナンは作ってありますから温めるだけになってますよ、待ってくださいね、あ、陛下はドッグフード出します」

    「頼む」

    「はい、陛下」

    一時間後、食事は無事済んだ。ドッグフードも。

    「ところで、おまえ、ジョアンとは暮らしていないのか」

    「彼女ならこの世界の男性と結婚してますよ、今は女優をしています」

    「ほー…」

    「アクションスターだそうです」

    その会話の合間に犬が吐いたブツを始末し、トマスは食事の片付けも終わらせてから、お茶と菓子を手に戻ってきていた。

    「フィリッパ様はいつ休みに」

    「さてな。休みの間はここに行っててくれとだけ」

    「この調子でたらい回しですかね」

    「つくづく、父上」

    「なんだ」

    「犬で良かったですね」

    「どういう意味だ」

    「面倒なくてねー…」

    狆はむっとしていたが、総裁様は無視。

    「しかも小型犬でよかった」

    「エンゲル係数ですか、殿下」

    「それはあるな、アキタなら相当行くからな」

    「……エンゲルとは」と犬。

    「家計簿における食料費の割合です、うちの場合は…電化製品の修理費が一番ですけどね」

    「その理由は」

    「殿下です」

    「あ…(察し…)」と犬。

    「トマス…」

     


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