幼馴染で、親友で、誰よりも大切な彼女と幸せな日々を送っていた主人公の葵。
しかし彼女に対する感情は、とある出来事をきっかけに大きく変わってしまう。
自分の苦しみと彼女の幸せを天秤にかけ、葵が出した答えとは。
中綴じコピー本です。
以下、試し読み。
「『どこまでもご一緒しましょう、お姫さま』」
私が発したのは、劇のラストシーンで交わされた王子から姫へのセリフ。たくさんある彼女への想いがほんの少しでも伝わるように、今までのどの練習のときよりも心を込めて言葉を紡ぐ。
その真意に気付いたのか、彼女は幸せそうに微笑んで答えを告げた。
「『えぇ、どこまでも行けますわ。貴方となら』」
そうして、長いこと二人で笑い合った。傾き始めた夕陽が窓から差し込み、廊下に真っ直ぐな光の道を作る。それが何だか幻想的で、この場所がありふれた小学校の廊下とは別の、どこか神聖な場所であるかのようにさえ感じた。
その一言で、隣に立つことを赦された気がした。
彼女の傍にいられることが誇らしかった。
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