【新刊】ちょっとSF的要素もある、やや大人向けファンタジー連作短編集
※書影は暫定のものです
私たち人間にとって身近な存在であり、もっとも古い友である動物、犬。
もしも彼らや、彼らの祖先といわれる狼が、私たちと同じ「人間」の姿になる能力を持っていて、言葉も交わせる生き物だったとしたら。
地球と似ているけれどちょっと違う、そんな犬たちと人間たちがともに暮らす世界。
そこに流れる日常や変化を4つの時代ごとに追う、連作短編集。
※個人サイト「カワズ書房」で全文または冒頭お試し読みいただけます。https://kawazushobou.jimdofree.com/ 『かわいいポポちゃん』(近世)良家の令嬢「わたくし」には、最新品種の愛犬ポポちゃんがいる。品種改良によって小型化されたポポちゃんは、わたくしの理想を体現してくれる大切な存在。でも愛犬家仲間で恋のライバルでもあるジョシルさんは、そんなかわいいポポちゃんのことが気に入らないみたいで……?
『生存戦略』(現代/太古)いわゆるゴースト・ライターである主人公「作家」は、表向きの小説作者である「依頼者」とともに取材旅行をしていた。旅行先のヒシビアは、華やかな歴史の面影が随所に残る国だ。そのなかで異彩を放っていたのは、二種の人類と狼が繰り広げた生存競争、その戦略を示す太古の遺跡だった。
『404 Not Found』(近未来)人と犬との関わり方は大きく変わった。愛玩用に改良された犬は人型になる能力を失い、医療用に改良された犬はどんどん人に近づいた。医療犬の仕事、それは自分の体を使って人間の病を癒すこと。すなわち臓器提供だ。愛玩犬のブリーダーである主人公は、ある日、不思議な客人を迎える。
『天翔る狼の標徴』(近代)迫害や駆除によって絶滅の危機に追い込まれた狼たちの最後の聖地、ウルカナハル。近親交配を繰り返し、出生率の下がった小さな群れで生きるイルクは、優秀な兄ボルトゥの陰に追いやられていた。だが、外部の女オシカと出会ったことで、その運命は一変する。
以上、4篇を収録。
120〜150ページ前後になる予定。
※全体的に暗め、後味悪めです。※一般文芸レベルの性描写があります。(全年齢向けです)