こちらのアイテムは2017/4/1(土)開催・第5回 Text-Revolutionsにて入手できます。
くわしくは第5回 Text-Revolutions公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

真夜中の虹

  • 委託-33 (恋愛)
  • まよなかのにじ
  • 二月ほづみ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 700円
  • 2017/4/1(土)発行
  • 新作。
    「紫灰の日時計」の後日譚です。

    カバー付き、ページ数は確定後追加いたします。





    (本文サンプル)




     序
     六一八年 十一月十日。
     風にあおられて窓を叩く雨音が、静かな病室に不規則に響く。外は嵐だった。
     時計の針はちょうど深夜十二時を回ったところ。夜明けを越えて明日いっぱいは雨が続く見込みだと、確か、夕食時にラジオで聞いた気がする。
      父の計らいで用意してもらった、一人部屋の見晴らしの良い病室からは、晴れていればアヴァロン城が見えるはずだ。退院までに一度城を眺めてみたいものだと思っていたけれど、この様子では叶わないかもしれない。それはいかにも残念だなと、重い腹をさすりながら、リゼット・パーカーは考えていた。
      体調はあまり良くない。そもそも、健康は自分の数少ない取り柄だと思っていたのに、妊娠してからこちら、体験したことの無い不調に悩まされっぱなしだった。医者に尋ねたら、このくらいは普通の範疇だというのだから、人をひとり産むというのはまことに大変なことである。

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