ロッキン・パンク・バレリーナ

• A-05〜06 (純文学)
• ろっきん ぱんく ばれりーな
• 風合文吾/森久里/奈秤大英/呪田獺祭
• 書籍|B6
• 104ページ
• 500円
• http://showjobungaku.blog.fc2…
• 少女地獄第九階層の2nd。
  　夢野久作『猟奇歌』の引用に始まるロックな一冊。
  　スタートナンバーは風合文吾が送る表題作「ロッキン・パンク・バレリーナ」。3.11を機に分離したパラレルワールド、その中で隔離政策がとられた過去の福島県『福島経済特区』での少女と少女の交流を描く王道作。
  　続くは森久里の実験的アンニュイ作品「罪人」。罪を犯し続けた男が罪を孕ませ、その娘が主人公と結ばれて――そしてどうなるかは読んでの解き明かし。言葉遊びに始まる実験的色合いの強い、けれど読みやすい優しいバラードのような一作。
  　そして奈秤大英が送るSFナンバー「パートナーズ」。過去の技術を発掘するテクノロジディガーの少女アリスと彼女の友人であるアンドロイド・カン（正式名フンスカンス）がある日見つけたのは、世界を揺るがす大発見で――王道SFの決定版！
  　ボーナストラックとして呪田獺祭の送る「ペンと蛇メタル～或いは物語試行の終着点～」を収録。これを言葉で説明するのは不可能だが、スローテンポとハイテンポが目まぐるしく変わる怖ろしい作品。最大の見所は最後についているポエム「CINDERELLA」。『どろりとした世界観に酔いしれよ……』（故・呪田獺祭の遺言）。
  
  全体的にクオリティが安定して来た時期の作品でしかも作者ごとに芸風が全然違うので、誰にでもお勧め出来る逸品。
  
  残りの在庫は四部しかないのでお早めに！