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【児童文学】はてのはて 2号

  • 鳴子-16 (純文学)
  • はてのはて
  • 萱野智
  • 書籍|A5
  • 46ページ
  • 500円
  • 花子さん

    「君、UFOを見たことがあるでしょう。わかるわ、私もそうだもの」

    塾の帰り道、古ぼけたアパートの花壇の側にいつも立っている通称「花壇のおばあさん」は、別人のようにハキハキとした声で僕に話しかけてきた。

    僕と彼女の間には、UFOを見た者だけに通じる特別な友情が育まれる。花子さんは、「あちら側」に行ったことがあるのだと言う。


    かげねこ

    新月の夜、かげねこは突然僕の影に住みついた。本体をどこかに落としてきた彼は、影から影を渡って、「あちら側」と「こちら側」を自由に行き来することができるらしい。

    勝手気ままなかげねこに振り回されつつ、僕はかげねこと奇妙な共同生活を送ることになった。

    ある晩、僕とかげねこは、月から放たれた光る飛行物体を目撃する。


    光る電車

    僕は、幼い頃に見た光る電車に飛び乗った。僕は花子さんの石を握りしめ、彼女の想い人を探す。

    「降りるべき場所は、着けばわかるよ」双子の言葉に導かれるよう、僕が降りたのはかつて通った塾の最寄り駅だった。見慣れた風景は、いつもと少しずつ違っている。ここは世界の「あちら側」、はてはての町。

    僕が花子さんのアパートの前で出会ったのは――

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