吉村あやめは、友人や両親、先生から受ける「いい子」な自分の評価に違和感を覚え、そこから逃げ出したい一心でアメリカへと短期留学にやって来た、引っ込み思案な女子大生。 異国の地へと生活の場を移しても変わらず他力本願の彼女は、慣れない海外での授業や寮生活にいつもビクビク怯えてばかりで、何も上手くいかない。 自己嫌悪に心を潰され、わずか二週間で身体を壊すほど追い詰められてしまったあやめ。そんな彼女に留学先の担当教授は、少しでもリラックスできる時間を持つため、教授の知り合いである在留邦人とルームシェアをしてはどうかと提案する。 紹介された女性のあだ名は、アイリス。奇しくもあやめと同じ意味の名を持つ、冷たくも優しい不思議な彼女と、もうひとりのおてんばなルームメイト・幸(サチ)を加えて、カリフォルニアでの凸凹な三人暮らしが始まった!
あやめに過去の弱い自分を重ね、呆れながらも放っておけないお人好し体質の社会人、アイリスこと鈴木愛理(すずきあいり)。 失恋の穴を男と好奇心で埋めていた、欲求に忠実なバカンス中の大学生、香田幸(こうださち)。 他人には穏やかに振る舞いながら、その裏に誰にも見せられない暗さと葛藤を抱えた主人公、吉村あやめ。 てんでばらばらな三人の奇妙な絆は、時に戸惑い、時に傷付きながらも、何気ない日常の中で徐々に深まっていく。 あやめには本名を教えない、という壁を一線として築くも、孤独だった日常への闖入者に本当は心動かざるをえないアイリス。 ナーバスな心を抱えていても、深く考え込みがちなあやめの背をおせっかいに押していく、明るい仮面のトラブルメーカー、幸。 そんな二人と関わり、僅かに自身の変化を感じ始めたあやめは、ある日避けていた『音楽』と『あるもの』に触れたことで、誰にも見せなかった過去の自分を少しだけ呼び覚ます――
愛理とあやめ、二人の主人公を据えた社会人百合系ヒューマンドラマ、My Roomie Irisシリーズ、はじまりのお話。 二人が出会ったカリフォルニア州・ロサンゼルスとオークランドでの暮らしを描いた、海外ルームシェア百合小説です。 (※本小説は上下巻構成です。後編となる#2もテキレボにて刊行しております)
サイズ:A6(文庫本サイズ)
総ページ数:198ページ
厚み:約1cm
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