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【会誌・合同誌】空華第八号

  • 鳴子-17 (純文学)
  • くうげだいはちごう
  • 藍崎万里子 大坪命樹 冬月 杜埜不月
  • 書籍|A5
  • 142ページ
  • 300円
  • 2018/9/30(日)発行
  •  無刀会四周年の空華第八号です。
     今回は、デザイナーが変わって大阪出身の松下みずほさんに頼んだので、いつもと異なる風合いに仕上がっております。
     巻頭を飾るのは、いやしくも北日本文学賞の第二次選考を通過した、拙著(大坪命樹著)「江面月明」です。震旦第六祖の大鑑慧能への第五祖大満弘忍からの伝衣を描いた、禅僧の話です。私自身は、あまり良い出来とは思っておりませんが、選考に残ったことや読んでくれた人たちの感想から考えると、かならずしも不出来では無いのかな、などとも感じたりもします。地味な話ですが、仏教哲学の一端が語られているかと、自負しております。
     二番手は、冬月さんの「伝説教師X 第二話」です。副題「X先生の趣味」で語られるX先生の個性的日常生活は、相当ユーモリズムに満ち溢れていて、冬月さんのセンスが冴えきった奇想天外なコメディー小説に仕上がっています。保坂和志氏も仰るように、小説にはユーモリズムが必要です。シリアスなだけが小説ではありません。冬月さんの描き出す乾いた笑いを誘う小説世界を堪能してみてください。
     三番手は、藍崎万里子さんの「マーミン帝国の末裔」です。この作品も、北日本文学賞に応募されたものです。身も心も美しい妻の「真弓」を持った「僕」だったが、真弓のおかしな妄想に翻弄されて、だんだん愛が裏切られていく。暴力的になってしまっても、真弓を捨てられなかった「僕」であったが……。ラストは、あっと言わせてぞっと背筋の凍る、見事なエンディングです。藍崎万里子さんの美しい小説世界を味わって下さい。
     ラストは、杜埜不月さんの「十九の夏」です。これは、杜埜不月さんの実質上の処女作となります。大江戸理科大学に入学し、帰郷してきた折原夏樹は、故郷で幼なじみの北村陽菜子に出逢う。初めは、恥じらいを隠せない夏樹だったが、次第に陽菜子と仲良くなっていき、一緒に花火大会を観に行くことになるが……。こころ温まる青春ラブストーリーです。初々しい二人の恋愛は、みずからの青春時代を思い起こさせて、ノスタルジックにさせます。杜埜不月さんの筆力を、お楽しみ下さい。
     巻末には、「そらばなし書評」を付けました。私の書評は、柴崎友香さんの「寝ても覚めても」で、藍崎万里子さんの書評は、町田康さんの「ホサナ」です。両作品とも、とても優れた文学作品なので、書評などというものを書くのも不遜なのですが、まあ感想と思っていただければ、幸いです。読書の手引きとなれば、ありがたい限りです。

     このような仕上がりの空華第八号でした。

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