「違っているのはぼくが人で、妻が天女ということだけだ」
人と人以外のものと出会うとき、刹那の幸せと切ない別れがある。
あわい境界を越える、八つの日本昔話をアレンジした短編集です。
消えた天女の妻を追って天へ昇る男「天人女房」
六つの地蔵を前に回想する老人「笠地蔵」
祭りが近づくと塞ぎ込む妻を持つ庭師「花女房」
生き残るため魂をかけ鬼と取引をする男「大工と鬼六」
朽ちた社に棲む龍女に琵琶を奏でる男「竜神の予告」
自分だけに見える犬に守られている娘「送り犬」
神隠しに遭った幼馴染を捜す少年「土の人がた」
人の恋人を幸せにしたいと思った異類「蛇婿入り」
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