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映画館連続殺人事件を扱った短編です。
以下冒頭になります。
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西暦二〇二X年、ある連続殺人事件が世間を賑わせていた。
現場は映画館。
被害者は鑑賞者。
死体は上映終了後に発見される――映画館連続事件。
しかし上映中並びに上映後の興奮或いは余韻の醒めやらぬ観客たちが死体の存在に気づくことはなかった。故に第一発見者は清掃に入った映画館スタッフが常だ。
捜査へ乗り出した警察による検死の結果、殺害方法と死因が明らかとなった。刺殺、絞殺、殴殺、毒殺――さらには現場の状況から実行不可能とされる墜落死や轢死、溺死の類も存在した。
不可解極まる事件に、捜査は早くも行き詰まる。監視カメラの設置が通路やロビーに限定されていた点を始め、劇場内で死体が発見された時には参考人とされる多くの観客がすでに退席していた。事後に情報を収集しようにも上映館内の座席は劇場会員に限らず、身元不明の一般人も購入が可能であった点から捜査は難航した。さらに会員の多くは、必ずしも正確な個人情報を登録していなかったことが明らかになった。
そんな中で得られた数少ない捜査協力者――事件発覚後、被害者と同じ劇場へ同じ時間に集っていたと自主的に名乗る者たちの証言からも、上映中に不審な動きをした者や犯人らしき姿などといった情報は皆無だった。
そんな中、津々浦々で事件は発生し続けた。
事態は怪奇現象の域へと至り、混迷を極める。
一向に解決の糸口が掴めない状況が続いた結果、映画館へ足を運ぶ者は激減した。
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