こちらのアイテムは2020/5/18(月)開催・Text-Revolutions Extraにて入手できます。
くわしくはText-Revolutions Extra公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

【BL】【恋愛】【現代】小さな君を

  • 鳴子-22 (ローファンタジー)
  • ちいさなきみを
  • 瑞穂檀
  • 書籍|B6
  • 68ページ
  • 600円
  • 2020/5/30(土)発行
  • 貴九郎お爺さんは、孫のお友達の涼一君と、こっそりこっそりお付き合いをしていて…。
    歳の差の、ほのぼのショートショートラブストーリー5編。
    1.くちづけて  初出:2007年8月26日
    2.小さな君を  初出:2006年10月9日
    3.心に残して  書き下ろし
    4.それは秘密に 初出:2009年3月8日
    5.君のためなら 書き下ろし

    試し読み⤵
    くちづけて』

      二階から騒がしい声が聞こえてくる。

    梅岡貴九郎は団扇で顔に風を当てながら、天井を仰ぎ見た。

    今日は孫が友達を連れてきて、二階で遊んでいるのだ。同じ中学に通う友達一人と、幼馴染で私立中学に通う前蔵涼一。そして孫の想良(そら)を合わせて三人の中学二年生が、二階に陣取っているんだから……家の中が静かでいられるわけがない。

    午前中に庭仕事を片付けて疲れたから、午後は昼寝をして過ごそうなどと、全く甘い考えであった。

    夏の陽がまだ余力を残して輝いている間に、五時のチャイムが鳴った。息子夫婦は共働きで帰りが遅く、夕食は大抵貴九郎が用意するのだが……昼寝出来なかったせいか何をするのも億劫で、なかなかテレビの前から動けない。そんな風にぐずぐずしていたらあっという間に時間が過ぎ、柱の大時計が六時を打った。

    「おーい想良、もう六時だぞ! 夕飯どうするんだ、皆で食べていくのか?」

    階段の下から声をかけると、一寸間を置いて孫が部屋からにゅっと首を出し、見下ろしてくる。

    「涼一だけ食べていくって!」

    もう一人の友達は、塾なんだと言って、鞄を抱えて慌てて降りてきた。

    「想良、漫画は明日返せよ!」

    「わーってるよ」

    孫息子は友人に手を振り、ゆっくりと階段を下りてきた。

    「涼一君は?」

    「上で漫画読んでる。じいちゃん、夕飯なに?」

    「まだ考えてない。何が食いたいんだ?」

    孫はタンクトップから伸びた腕を組む。

    「ピザ食いたいなぁ……。宅配のヤツ」

    この暑いのに、元気な胃袋だ。しかし、料理を面倒に思っていた貴九郎にしてみれば、なかなか良い案であった。


ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になるサークルを記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じサークルのアイテムもどうぞ

【ローファンタジー】私の家【ローファンタジー】空の上にあるもの【ローファンタジー】魔法のベッド【現代】【恋愛】丸井君【現代】闇で抱きしめて【現代】【恋愛】消えてください【BL】【ローファンタジー】金目当てですから【BL】【恋愛】【現代】小さな君を

「気になる!」集計データをもとに表示しています。