おれは男でゲイで人力車屋で俥夫のバイトをやっていて二十二歳で千葉県出身で三月生まれで一人っ子で、足の指は親指より人差し指のほうが長く、手の指は人差し指よりも薬指のほうがちょっと長い。手の甲の皮膚をつまんで伸ばしても痛くない。ひじの皮もだ。耳あかは乾いている。髪の毛は天パってほどじゃないけどちょっとうねるくせがあるから思いきり短くしており、二、三週間に一回切りに行く。美容室の担当のにいさんはひょろっとしていておれ的にはそんなにタイプじゃない。でも手つきがすごく優しいからまいどドキドキする。それは誰にも打ち明けていないドキドキで、おれ自身美容室を出たら忘れちゃうドキドキだ。そうして、おれが恋人づきあいしているのは七十二歳のじいさんだ。
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「蝸牛関係」の番外編です。でもこっちから読んでもいいかもなあとも思っています。いつもより文章の勢いがあるというかぶっちぎっている(つもり)なので、そのあたり楽しんでいただけましたら幸いです。
なかみはこちらで全文公開しております。
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