陸の上は過ごしづらい、中学を忌避してなお。学校に行かない女の子が出会った、でかい男と初老の人魚のこと。
恋が死んでも友だちに嫌われても隣人同士で手をとりあうよみたいなお話です。
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[あらすじ]
東京都大田区平和島、運河にはうみへびが泳ぐ。こともある。
中学生の百子は母と姉と団地住まい、学校は休みがち。膝カックンによりクラスメイトに怪我をさせ、偶然の加害者になってしまったからだ。
近所の火事騒ぎをきっかけに、隣の部屋に越してきた大きな男・山田倫太郎(略してリンダ)と仲良くなる。
リンダは人魚を飼っていると言う。百子はまだ見ぬ人魚のことがなんだか羨ましい。
七月の蒸し暑さを逃れるように水風呂に浸かり、ある日小さな折りたたみナイフ"オピネル"を拾った……。
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試し読みはこちらです
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883822018第34回太宰治賞二次選考通過作品です。