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虹の向こうへ 第1巻

  • B-12 (ハイファンタジー)
  • にじのむこうへ だいいっかん
  • 森越
  • 書籍|新書判
  • 148ページ
  • 900円
  • 2016/05/05(木)発行
  • 「誰かと生きる意味を伝える物語」

    剣あり、魔法あり、竜ありのハイファンタジー長編小説シリーズ、第1巻
    ※本シリーズは3部構成。
    ※第一部完結済。2018年7月時点の新刊予定は2部の4巻。

    --------------

    物語の始まりは、いつだって幻想的に、大胆に、唐突に訪れる。

    たった一人残された弟を育てつつ日々を過ごす第一王子の従者・透火
    父親と不仲ながらも後継者として務めを果たす第一王子・芝蘭、
    外見の特徴故に特殊な役目を持たされなお生きる少女・ハーク、
    種族の怨嗟を受けながらも二つと無い才能を見込まれ王族に育てられた青年・占音

    背景の異なる4人が出会う頃、世界は穢れ、崩壊の道へと進んでいた.

    ----------------
    [冒頭]


     鳥も飛ばぬ冬の空は、どこまでもどこまでも広く澄み渡り、蒼く冷めきっていた。
    「開門──ッ!」
     荘厳な鐘の音が鳴り響き、門が開かれる。
     紅玉のように輝く魔石を掲げた、王城の正門。
     その両脇に聳える白亜の壁に陽光が反射し、押し寄せる民の顔を照らしている。
     皆笑みを浮かべ、門の向こうを臨んでいた。
    「聖光国第一王子・青芝蘭様のご入場です!」
     彼らの視線の先、バルコニーの上に現れたのは、二人の従者を引き連れた一人の青年だ。
     夜明け色の髪は段をつけて切り揃えられ、襟足は首の後ろでまとめられている。王城と同じ白を基調とした礼服に身を包み、彼は民の姿が見えるように前へ進んだ。黒の長靴が静寂を刻む。
    「この日を迎えられて嬉しく思う」
     城外にまで配置された兵士達。王子の胸元に輝く魔石と、兵士の持つ魔石とが音を繋ぎ、若々しい青年の声を遠くまで届けていく。
    「集まった民よ、私は貴方達に感謝を伝えたい。この国が今この時まで平穏で在ったのは、ひとえに貴方達が私たち王族を信用してくれたからだ。そしてこれからも、どうか私を見守り、支えてほしい。次期国王となった暁には、貴方達から頂いた分の返礼を必ず果たす。宜しく頼む。……有難う」
     薄い唇から紡ぐ声は、彼の考えを理解するものの心を掴んで離さない。
     言葉が途切れ、一拍の沈黙を置いて歓声が沸き起こる。民の一人一人に応じるように、王子は笑みを浮かべて手を振る。
     遠くから見ても、彼は目立つ容姿をしていた。
     鋭く太い眉は意志の強さを思わせ、目つきの悪さと百九十近い身長が威圧感を与えるが、見た目とは真逆の甘く優しい声は馴染みやすく、穏やかな微笑みが距離の近さを感じさせる。
    (俺は近くにいるから、よくわかんないけど)
     本来の彼を知っている優越感から、自然と笑みが浮かぶ。どこか清々しい気持ちだった。
    「何ニヤついてるの」
    「いたっ」
     浮ついた爪先を踏まれて、 直井ナオイ透火トウカは小さな悲鳴を上げた。民の歓声にうまく紛れたようで、従者二人の会話に王子は気付かない。
     透火は金の両瞳で隣を睨んだ。桃色の髪を背中に払い、踏みつけた当人は眦の刺青を歪めるように、暗紫色の目を細めて透火を嗤わらう。
    「そうしていると、聖歌隊の子供みたいよ」
     言っているそばから聖歌隊の歌が始まる。鈴蘭の白い花をひっくり返したような制服は、幼さと可愛らしさを演出していた。

       ーーーー続きは書籍、または電子版よりどうぞ。




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