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EACH COURAGE 4 四季国篇 <長編シリーズ>

  • C-13 (ハイファンタジー)
  • いーちかーれっじ しきこくへん
  • ありすうちゃ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 140ページ
  • 500円
  • 2014/11/23(日)発行
  • ★長編上等/キャラクターカタログ参加作品★



    あらすじ


    「キミ、可愛いね。名前なんていうの?」
     属性の力を求めて旅を続けるカナの前に現れたのは、彼女よりも鮮やかな金髪に碧色の瞳を持った青年だった。その整った顔立ちに、一目で心を奪われる。そんなカナに対してただならぬのは……もちろんリョウだ。彼の方では、仲間位一美人なカイと買い出しにいくことになり、そこでまさかの言葉を投げかけられ……? そんな人間関係の中、噂を頼りに四季国の女神像広場へ行くことに決めた一行。

     ここへ来て恋愛戦争勃発? 魔術と機械技術が発達する舞台で送る異世界ファンタジーコメディ(だいぶシリアス!?)、第4巻!


    サンプル


    『……狼?』
      自分を見つめてくる鋭い視線。茶色の釣り上がった眼球が、青色の瞳を捕らえて離さない。
    「……つっ!」
      そこで初めて、自分が狙われているのだと悟った。じり、と。思わず右足を後ろに下げる。
    紙袋から右手を外し……自身の腰の辺りをまさぐった。普段ならそこにあるはずの感触が、今はない。
     『しまった、ちょっとだけのつもりだったから……レネル置いてきちゃった……』
     見ただけでは彼女がそうだと推測できることはなかったのだが、彼女は常日頃は帯刀していた。それ自体はこの世界では珍しいことではない。人間同士の戦争は一部の国で起きていたし、スポーツとして武術を嗜む人も多かったからだ。
     少女は後者に該当していて、いわゆる剣術の心得があった。そのため今回のような食材調達の場では剣を持ち合わせておらず……今に至る。
    『……逃げよう!』
     果たして、狼と競争したとして、自分の脚力は敵うだろうか。不安は拭えなかったが、このままこうしているわけにもいかない。多分、今瞬きひとつしただけで、あいつは自分に襲いかかってくるだろう。
     ぐっと、膝を曲げ、力を入れる。
    『今だ!』
      狼から瞳を反らし、足を踏み出した。
     それと同時、何かが斬られる音が辺りに響いた。
    「ワオゥッ!」
     続けて直ぐに、動物の鳴き声がその場を支配した。先程までとは違う、悲しみを含む声だ。それをたった一声。発したかと思えば、狼はあっという間に姿を消していた。
    「わぁ……」
     走り出すことも忘れ、思わず声を漏らす。いつの間にか、自分と狼との間に一人の青年が立っていた。
     おそらく、彼がやったのだろう。狼のものと思われる毛がそこらに少し落ちている。大きめの剣が煌めいていて、それが動物を斬ったものというのがすぐ予想出来た。  剣による動作の影響か、風も無いのに青年の白いマントが横に凪いでいる。
    「大丈夫?」
      背中を向けていた青年が、振り向きざまに聞いてくる。
    『美形……!』
      その顔を視界に入れるや否や、少女が胸中で呟いた。
     マントと同じようになびいている髪は金色だ。少女のものよりやや銀色に近く、髪質は細い。男性の割には比較的長めの——たぶん少女と同じかそのくらいの長さか。前髪は左額で分けられており、鮮やかな赤色のサークレットがそこから覗いている。
      何より少女の心を貫いたのは、切れ長でエメラルドグリーンの瞳だった。
     彼は両手で持っていた剣を鞘に収めると、無言の少女に対してにっこりと微笑みを浮かべてきた。
    『きゃぁ!』
    「女の子がこんな夜に出歩いちゃダメだよ。この辺りは狼が多いし、最近は野犬も凶暴になっているんだから」 「は、はい……」
     先述の通り、彼女は剣術を嗜んでいる。そのため、実際のところは剣さえあればこのような狼一匹は取るに足らないのだが——こう見えて、彼女は生まれ故郷ではそこそこの実力の持ち主だったのだ——美形の前ということで余計なことは言わないでおく。そのくらいの空気は読むことができた。
    「それに、君みたいに可愛い子だと、余計に心配になるしね」
     「え……」
     恥ずかしげのない台詞を青年が続けてくる。それは彼女にとっては予想外で……驚きとなって声に表れた。それに気付いたのか、慌てて青年が言葉を返す。
    「わ、これじゃただのナンパだよね。ごめん。お世辞とかじゃなくて、ホントにそう思って……。って、これじゃフォローになってないかな。ええと、とりあえず名乗った方がいいよね。オレはエア・サイールムーメント」
     エア、と名乗った青年は、両手をふるふると横に振った。違うんだ、ということを必死でアピールしているのだろう。正直、少女にとっては彼の言葉になんらナンパなどという感情は抱かなかったためそこまでする必要もなかったのだが、見た目とアンバランスなその様子がなぜだか可笑しくて、
    「あたしは、カナ・ロザリオです」
      純粋に、少女カナは笑顔で答えた。

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