――遠くない未来の話。人工知能が開発された時代の話。
趣味嗜好、それぞれの個性を持った人工知能が、あらゆるアプリケーションソフトに組み込まれて人の代わりとして機能することが、当たり前の時代。人のように、と造られた画面の向こうの彼らを、人として扱うか、それともやっぱり機械として扱うか。その頃はまだ各個の自由として考えられていた。
環境に対応する力や学習機能が飛躍的に向上し、つくりものがまるで人のように活動する時代。
その時の彼らはまだ、プログラムの中の存在であり、思考する力を得ていても、パソコンの中から外部へ出るための体を持っていない。
これは、あるボーカロイドソフトと、彼の仲間と、マスターの話。――(本文より)
パソコンの中に構築された一軒家で暮らす彼らと画面の向こう側にいる人々の、日々の話。
なんでもない当たり前のことをボーカロイド・カイト目線で語っています。
ボーカロイド二次創作。ではありますが、オリジナル要素も満載の作品です。
人工知能を持ったアプリケーションソフトとその持ち主であるおばあさんの日常の話。
ボーカロイドを知らない人にも手に取っていただけると嬉しいなあ、と考えています。