小鳥少年ーHarukiー

• D-22 (BL)
• ことりしょうねんはるき
• 晴川穂浪
• 書籍|文庫判(A6)
• 78ページ
• 300円
• http://slib.net/a/18744/
• 2016/8/21(日)発行
• 総てを失くしたわけじゃない。僕にはまだ、春貴がいる——。
  　叶幸人はドール趣味と買い物依存症を併発し、常に数十体のドールを所持していた。
  　増え続ける人形たちは徐々に生活と精神を圧迫し、遂に嵩んだ借金のために自宅と家財の差し押さえ処分を受けてしまう。人形も家も失い絶望に暮れる幸人は、あるメイクカスタマーに預けていた人形の事を思い出す。春貴と名付けたその少年ドールを、カスタマーの元から取り戻そうとする幸人だったが……。
  　幻想連作小説の二話目。番外編『相思鼠』も収録しています。
  
  　その出逢いは、奇跡か、悪夢か。
  　
  　ベランダから飛び降りた妹が残した、美しい少年人形を受け取る兄。
  　人形趣味が高じ、すべてを失った男とその最後のドール。
  　継ぎ接ぎの人形を作り続ける異形カスタマー。
  　義眼に魅せられた青年が出逢った理想の青い眼を持つ人形……。
  　その出逢いは、彼らの人生に無償の愛と倒錯の影とを投げかけながら、複雑に絡み融け合っていく。
  　夢と現実の狭間に迷い込んだ男たちと、運命の少年が織り成す、あまやかに歪んだ物語。