小鳥少年ー準備号ー

• D-22 (BL)
• ことりしょうねん じゅんびごう
• 晴川穂浪
• 書籍|文庫判(A6)
• 48ページ
• 200円
• http://slib.net/a/18744/
• 2016/3/21(月)発行
• それは、美しい鳥だった——。
  　調査会社で働く周防斗来は、ある夜ベランダから飛び降りた妹の足取りを追い、一軒のカフェを尋ねる。ドール・カフェという一風変わったその店に妹が預けていたのは、鳥籠に入った美しい球体関節人形だった。交錯する現在と過去。ロビンという名の少年人形はまるで小鳥のように夜の窓辺で懐かしい歌を口ずさむ。妹の意図が掴めぬまま、斗来は次第に人形そのものに傾倒していくのだが……。幻想連作小説の一話目。
  
  　その出逢いは、奇跡か、悪夢か。
  
  　ベランダから飛び降りた妹が残した、美しい少年人形を受け取る兄。
  　人形趣味が高じ、すべてを失った男とその最後のドール。
  　継ぎ接ぎの人形を作り続ける異形カスタマー。
  　義眼に魅せられた青年が出逢った理想の青い眼を持つ人形……。
  　その出逢いは、彼らの人生に無償の愛と倒錯の影とを投げかけながら、複雑に絡み融け合っていく。
  　夢と現実の狭間に迷い込んだ男たちと、運命の少年が織り成す、あまやかに歪んだ物語。