――願わくは、あなたの暗闇を照らす、灯火になりたい。
宇宙時代。月や火星、小惑星群に居住地を移した人類にとって、宇宙はもう、はるかな世界ではなくなっていた。
月生まれ、月育ちのほたるは星間企業・CST社に勤めるシップドライバー。デブリ(宇宙ゴミ)拾いをはじめとする宇宙での勤務に充実感を覚える一方で、相棒のユーリには調子を狂わされっぱなし。
お仕事と恋、宇宙と人のつながりを描いた短編連作。
【収録作品紹介】
「正しい夏のつくりかた」
何もかもが作り物、ニセモノばかりの世界でホンモノを手にしようと奮闘するほたるは。
「最大のミニマム」
人類が地球に住んでいた頃、少なくとも呼吸することは無料でできた。大昔の話だ。
「幸福論/自由律」
差異があるから、隔たっているからこその、幸福と自由。
「眠り姫」
月生まれ、月育ち。地球を知らないあたしたちでも、かの地を訪ねることを「還る」と言いたくなってしまうのは、どうしてだろう。
「すてきな世界」
あたしは日記をつけている。言葉は時間と距離を越えて、人と人、あたしとあなたをつなげていく――。
「プラネテス」をこよなく愛する文系の作者が煙を吹きつつ執筆した、「現代と地続きの未来」。SFとしての間口は広め。
公式アンソロ「猫」に寄稿した
「ピートの葬送」の本編でもあります。
併せてお楽しみください。
また、「ピートの葬送」はイベント当日のステージ企画
「Text-Revolutions朗読会「猫」」にて朗読していただけることになりました!
紙面やwebなどで「目で読む」のとは一味違った印象になること間違いなし。どうぞお聴きください。
試し読みは上記
創作文芸見本誌会場 HappyReading、
Pixivもしくは
自サイトにてどうぞ。サイトでは「すてきな世界」以外の4編をすべて読むことができます。