――その眼は旅路を照らす灯火となるか
その剣は困難を拓く一閃となるか
その手は時の糸を繋ぎ、癒しをもたらすか
その声はすべてを従え、信頼を謳うか
世界中を旅しつつ魔物を狩る「狩人」に憧れる半精霊シャイネは北の町の宿屋で下働きをしながら、経験を積んでいる。
女であること、半精霊であること。二つの本質を装い偽って、しかし「何者でもない」ことは一種気楽でもあった。
一方、南の名もなき森で目を覚ました男は過去に関するすべての記憶を失い、ゼロと名乗る。 面倒をみてくれた森の王・ヴァルツとともに、身元と過去を探す旅に出る。
ふたりはそれぞれの理由と秘密を抱え、港を有する大都市・カヴェで出会う。
男装女子と不憫男子の糖度低め冒険譚。
序章+本編全四章+番外編、完結済み。初めての方は「序章」をどうぞ。試し読みを掲載したフライヤーもご用意しています。
6冊セット購入時のみ、若干ですが割引があります(2700⇒2500円)
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カクヨムにて全文公開中)
【序章「伏せられた手札」 A5判52P/100円】世界観や登場人物、今後の伏線のようなものもチラ見せしたお試し本。まずはこちらで世界観や作風、文体をお試しください。
本編と内容の重複はございません。【第一章「冬の空闇の夜」 A5判144P/500円】なし崩し的に行動を共にすることになったシャイネとゼロは、魔物の巣で不気味な石の卵を見つける。
それがきっかけで負傷し、街に潜伏することになるが、シャイネが巡回の青服に見つかって――
【第二章「工業都市の紅蓮」 A5判132P/500円】追われるまま港街カヴェを脱して東を目指す二人。辿り着いた工業都市マジェスタットでは新たな出会いが待ち受けていた。シャイネが探す男の行方は。
【第三章「遥けき蜜月」 A5判138P/500円】アンリの手配から辛うじて脱したシャイネとゼロ。彼の記憶の手がかりを求め、学問の都市へ向かおうとする二人の前に、女傭兵ナルナティアが立ち塞がる。
【第四章「旅路の果て」 A5判182P/800円】ついに神都に向かうことになったものの、ゼロはどこか上の空でシャイネは落ち着かない。不安を拭いきれぬまま西へと旅立つ日を迎えた。一方、北ではリアラとレイノルドが出会い、東ではミルたちが出立の準備を調えていた。欺瞞を打ち砕くべく、皆が神都に終結する。
【番外編「トリニティ」 A5判70P/300円】種族の境界に生きる者たちの信念と矜持を描く独立短編集。
※本編の致命的ネタバレがあります。・本編後、砂漠を旅するシャイネとゼロを見守る剣たちのお喋り「ツチフルクニ」
・大山脈「背骨」を越える郵便配達人「山鳩」たちのお仕事を描く「ジェミナイの山鳩」
・半魔クロアとスイレンの出会いと憧憬を描く「永久影」