思い出の中でのみ、僕らが失われることはない。
『不在の探偵』(2020/1発行)の続刊。
胡乱な江戸川乱歩似非パスティーシュ小説集。
書き下ろし短編3篇を収録。
2020年5月31日発行/B6/一段組小説/表紙クラフト紙
前作本文サンプル:
http://nanos.jp/beanradish/page/10/・「探偵の首」
http://nanos.jp/beanradish/page/134/ 顔のない男は怪人であるがゆえ、誰でもない。
訪れた先の書斎は主を失って以来、埃をかぶったままである。
男は書斎のソファに腰かけて即興の一人芝居を演じる。
「知恵比べは楽しかったかい、先生」
・「杯は四つ」
毒入りのワインを当てるまで出られない部屋に閉じ込められた、
四人の少年探偵助手。同一人物である四人は、持ち前の知恵で
この事態を乗り切ろうとするが……?
「なんだか禅問答みたいなことになってきたぞ。いったん落ち着こう」
・「或る坂」
どこかにある忘れられた坂の途中の喫茶店の店内の座席の話。
この物語に登場する人物はみんないずれも物語概念です。