こちらのアイテムは2020/12/26(土)開催・Text-Revolutions Extra 2にて入手できます。
くわしくはText-Revolutions Extra 2公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

【純文学】卵怪談

  • 鳴子-15 (純文学)
  • たまごかいだん
  • 海崎たま
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 56ページ
  • 200円
  • http://chabobunko.jugem.jp/?e…
  • 2016/3/21(月)発行
  • 「孵らなかった卵の中には、生まれなかった僕の妹。」
    兄と妹、祖父と孫。卵を巡る、怪談短編集。

    テキレボ2のときに公式アンソロで書かせていただいた、「卵」というお話を改題して再録したものと、書き下ろしを収録した全2編の怪談短編集です。

    URLから、収録作「卵怪談 第一夜」の全文をお読みいただけます。



    【収録作】
    「卵怪談 第一夜」
    「さあ、妹よ。お前はこれから、神様の嫁になるのだよ。毎晩大事に、これを胸の中に抱いて眠りなさい。一人の夜は寂しいだろう。せめて親鳥が雛に見せるような、優しい夢を見て眠りなさい」 妹は兄の言葉をまどろみの中で聞いていた。そして兄が去った後、もう一度眠りについた妹は夢と現実のあわいのような夢の中で、大きな白い鶏と接吻をして一つの白い卵を産んだ。

    「卵怪談 第二夜」
    早く逃げ出したい。この家から。早く、早く逃げ出したい。この家と、狂った祖父から。雛の死骸の詰まった卵から。 黙り込んでしまった僕の様子に気付くはずも無く、祖父はにこにこと卵を赤子のようにあやし続ける。 白酒の甘ったるい匂いと、漂う線香の白檀の香り。異郷のような二つの香りが鼻先で妖しく混ざり合う中で、己の憎悪が生まれて初めての酔いと共に、静かに陶酔していくのを感じた。 機は熟したのだ。 次に訪れる春に、僕は、この狂った老人を捨てる。


ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になるサークルを記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じサークルのアイテムもどうぞ

【純文学】幻想小説集 エクピュローシス/太陽の残り滓【純文学】卵怪談【エッセイ・随筆】冷蔵庫の中でピ●コロさんが気を溜めている【2次創作】【第五人格】七色の怪物【その他】何か

「気になる!」集計データをもとに表示しています。