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【ローファンタジー】赤錆びた桜

  • 有馬-32 (ローファンタジー)
  • あかさびたさくら
  • 志水了
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 36ページ
  • 200円
  • 2016/3/21(月)発行
  • ――殺さなければならない。

    「お前には、敦貴を殺してもらいたい」

    吸血鬼についての研究を行っている施設で、咲衣(さえ)は吸血鬼でもある研究員、敦貴(あつき)の護衛任務を命じられる。
    だが任務の裏には、敦貴の暗殺という目的があって……。殺伐とした現代ファンタジーの短編です。


    *冒頭抜粋*

     薄暗くせまい路地の向こうがわから、足音がいくつも聞こえてくる。
     咲衣は建ち並ぶ建物の壁にからだを貼りつけるように立ちながら、耳をそばだてていた。居酒屋の裏側なのだろう、咲衣のよこにはビールの空き瓶がいれられたケースがならんでいる。この場所はネオンが輝くおもてとはちがい、夜の闇に路地ごと沈んでしまいそうな暗さだった。
     目の前には電気が消えた部屋の窓があり、咲衣の顔が鏡のように反射してうつっていた。ふわりと巻かれた肩までの栗色の髪に、色素の薄い瞳、そして厚い唇の女が無表情で立っている。
    「どこにいった」
    「こっちか」
     すこしはなれたところから、男たちがささやきあう声が聞こえてくる。もうすこしだ。咲衣は緊張をときほぐすかのように、息を吐いた。冬の夜は芯から冷えているせいで、吐息は白くかすんで、闇に消える。
     足音が咲衣のすぐそばまでせまってきていた。咲衣はすっと息を吸うと、足音が聞こえてくる道へと踊り出る。

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