こちらのアイテムは2020/12/26(土)開催・Text-Revolutions Extra 2にて入手できます。
くわしくはText-Revolutions Extra 2公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

【BL】【恋愛】【2次創作】【ボーボボ】HOPELESS CYCLE【R18】

  • 湯布院-03 (ノンフィクション(旅行記・体験記・エッセイ・随筆等))
  • ほーぷれすさいくる
  • 音葉ネリ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 176ページ
  • 1,200円
  • 2021/2/28(日)発行
  • ボーボボの二次オリ小説です。
    紹介画像をよーーーーーく読んでくださいね。


     【プロローグ】
     君が、全てを諦めるだけの僕に希望をくれたんだ。だから、なんとしても二人で生き残ろう。例えこの先どんな困難が待ち受けていたとしても……

     フィルは前を颯爽と歩くアレックスの背中を見つめていた。なんという頼もしい背中だろう。何もできない僕とは大違いだ。僕なんか、拳銃もまともに撃ったことのないただの弱腰の人間なのに。アレックスは『一緒に組まないか』と言ってくれた。アレックスからしたら、一人より二人の方がこの『逃走ゲーム』を生き残る可能性が高まるから――そんな軽い理由だったからかもしれない。でも、それでも構わない。僕も、アレックスのために全力で戦おう。そのためなら僕は傷ついても構わない。そんな決意を固めていたときだった。前を歩いていたアレックスがこちらを振り返る。

    「フィル、大丈夫か? 疲れてないか?」
    「大丈夫。アレックスこそ大丈夫か? さっきからずっと戦闘続きなんだし……」
    「俺は大丈夫だ。修行もしてるし、元々真拳使いは身体が丈夫なんだ!」
    「そういうものなのか」
    「あぁ、そういうものだ!」
     アレックスと話していると、この緊迫した状況でもなんだかほっと心が暖かくなる。まさに太陽のような人だな、そんなことを思う。そのときだった。アレックスが急に後ろを振り返って叫んだ。
    「フィル! 敵だ! 大勢いる! やつらの気を引いてくれ!」
    「わかった!」
     こんなに多くの敵がいるのだ。一人一人牽制していたらキリがない。弾にも限りがあるのだ。フィルはすこし考えたあと、腕を真上に伸ばし銃を天井に向けた。左耳を塞ぐ。そして思い切り引き金を引いた。

     敵は明らかに狼狽えていた。みんなアレックスの後ろにいるフィルに釘付けになった。やばい。こいつ銃を持っている。殺される――そんなことを考えたのだろう。敵は一歩また一歩と後ずさる。

    「今だ! 大鎌真拳奥義 ソウル・サイザー! 乱れ打ち!」
     相手は真拳使いではない普通の人間だ。威力は殺してある。ただ、今回は敵の数が多い。乱れ打ちをするためにも、大鎌と魂との連動を高める必要があった。
    そうすればどうしても隙ができてしまう。フィルが気を引いてくれて助かった。フィルの機転のよさにはいつも助けられてしまっているな――アレックスはそう思った。

    「アレックス! 大丈夫か?」
    「あぁ、全員倒せた。ありがとな、フィル! おかげでめちゃくちゃ助かったぜ!」
    「……そうかな」
    「なんだよ、俺が嘘ついてるように見えるのか? 俺とお前、すげぇいいコンビだと思うぜ!」
    「……ありがとう」

     フィルは穏やかに微笑むと、アレックスをまぶしげな表情で見つめた。


    ◇    ◇    ◇


    「はぁ、はぁ……」
    「フィル、着いてきてるか!? あともう少しだ、頑張るぞ!」
     ゲームの残り時間は残り30分――そんなふざけた放送が聞こえてからもう何分経っただろうか。二人は細い廊下をひた走っていた。きっとこちらの居場所は向こうに知られているに違いない。同じ場所に留まっていてはあっという間に囲まれてしまう。隠れる場所がどこにもないこの廊下では、走り続けるしか道はない。
     走っているうちにあちらこちらに血溜まりや戦闘の痕跡が見受けられたが、かまっている暇はなかった。恐怖心を押し殺して、二人は走って走って、走り続けた。

     廊下の曲がり角に差し掛かったそのときだった。前を走っていたアレックスの足取りがぴたりと止まった。

    「どうした、アレック……」
    「しっ……静かに」
     今、確かに足音が聞こえた。それもこれは雑魚の足音ではない。いうなれば、強者の足音。それも、もうすぐそこまで来ている。戦闘は避けられない。アレックスはごくりと息を飲み込んだ。

     アレックスの後ろでフィルはぐっと息を殺した。きっと、これが最後の戦いになるだろう。自分のサポートに全てがかかっている。アレックスの命と自分の命。両方が。

     フィルは仕舞っていた銃を取り出し、ぎゅっと握りしめた。

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になるサークルを記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じサークルのアイテムもどうぞ

【手製本】【評論】【児童文学】【SF】スピリッツオリジナルセット【ローファンタジー】【ライトノベル】【2次創作】【ボーボボ】【児童文学】スピリッツセルフ二次創作セット【手製本】【エッセイ・随筆】折り本ランダムセット【手製本】【エッセイ・随筆】折り本全部盛りセット【手製本】【評論】森に生きる【SF】とある研究員の手記【児童文学】ココロビーダマ。【2次創作】【ボーボボ】HOPE【2次創作】【ボーボボ】RAY【2次創作】【ボーボボ】【エッセイ・随筆】サイバー都市研究本 Vol.3【ローファンタジー】【ライトノベル】【2次創作】【ボーボボ】泉の森【エッセイ・随筆】【ローファンタジー】はむはむショートストーリーズ!【エッセイ・随筆】はむはむプリてぃイズム!【エッセイ・随筆】【評論】同人どたばた体験記【2次創作】【ポケモンBW】Ask.【2次創作】【ポケモンBW】クエスチョン・ユー【BL】【恋愛】【2次創作】【ボーボボ】HOPELESS CYCLE【R18】

「気になる!」集計データをもとに表示しています。