壬生キヨムの2012年ころから「かばん」その他に発表した短歌をまとめた第一歌集。
少し不思議な日常、当然のように手を伸ばせば宇宙にとどき、少年愛好家は恋をする。
潮伽の里はずっと前から縮んでい、それが何か理解できないだけでなくやってはいけないことをしている。
カバー画:藤白針子
レイアウト:泉由良
《章タイトル》
Ⅰ 都会の夜に就て
Ⅱ 宇宙のゆらぎに就て
Ⅲ 恋に就て
Ⅳ 潮伽縮む里
Ⅴ 砂漠の図書館
《サンプル:月に会いに行く》
もし船が重くて荷物を捨てるならぼくが星海へと飛び込むからね
星なんてあてにならない飛び立ってしまったらもう巣はいらないから
ふんわりと大地が光っているみたい生きることなんて任せてしまえ
丘、ここに大事なものを置いてゆく記憶とは違う月にたどり着く
気が付けばこんなにも星の降る夜にそうか、一人で来たんだったな
優秀な超能力者も月でさえポイントカードを要求される
会いたいとおまえに送るポストカード印刷がややずれている