その手紙の消印は、200年前の日付だった――。
氷に閉ざされた星をめぐる、ふたりの旅人の物語。
姿を消した人魚、開拓された星々、残された人、旅立った人。
この宇宙では、時間の流れは同じではない。
時間も距離も超えて運ばれていく言葉たちと、その言葉たちを運ぶ旅人のこと。
『エウロパの海』の発行作品の入り口としてご用意しました。
木星の衛星のひとつ、凍れる星「エウロパ」と、もうひとつの冷たくこおれる星をめぐる、
ファーンとケドル、ふたりの旅人の物語をお届けします。
静かなSFのおはなしです。
テキレボEX2公式アンソロ「手紙」投稿作品が、この物語の最終章となります。
試し読みの代わりに、どうぞ。
https://text-revolutions.com/event/archives/13303 ※本作について※
既刊『ペルセウスの旅人』『Farewell, my last sea』等から選んだ短編・掌編を、
ふたりの旅人を主人公に、ひとつなぎの物語に再編しました。
これまで既刊を手に取ってくださった方にとっても、
また別の物語として楽しんでいただければと思います。
<収録作品>
◆01 : “an apple branch”
ペーパー「エウロパの海」vol.1収録掌編からのアレンジ。
幼いファーンが凍える夜に聞かされた、遠い「エウロパ」の物語。全体の導入になります。
◆02 : “鱗”
『Farewell,
my last sea』収録『青い人魚の海』からのアレンジ。
ファーンが宇宙船で乗り合わせた男が語る、「エウロパの人魚」の物語になっています。
◆03 : “灯台守と旅人”
『Milkomeda』及び『ペルセウスの旅人』収録『ふたつめの手紙』からのアレンジ。
ストーリーはオリジナルに沿うものの、時間軸は灯台守の「その後」の物語になっています。
◆Ex : “the terminal of the apple branch”
テキレボEX2公式アンソロジー「手紙」掲載作品から。