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ダンジョンRPG「ウィザードリィ1」の世界を舞台にした小説の設定資料集です。
今回は世界観編になります。テキストがかなり多いです。
メインキャラの紹介もイラスト付きで掲載しています。
「小説の世界観を知ってから読みたいなぁ……」という方は、まずはこちらをどうぞ!
「ウィザードリィって知らないなぁ……」という方のために、どのようなゲームなのか、呪文体系、登場する種族や職業について、迷宮内での戦闘についてなどの説明もあります!
この世界のモデルは、地球+世界史なので、比較的入っていきやすいと思います。
ただし、価値観が中世ヨーロッパをモデルにしていますので、現代の価値観からは逸脱している部分があります。
登場する国のモデルがドイツなので、Webサイト連載時に取材旅行に行きました。そのミニ旅行記をフルカラー(6ページ)で巻末に掲載!
ノベルティとして栞がつく予定です。
手に取っていただいた方々からは、「他人のところの設定って読むの楽しいよね♪」と好評です^^(ありがとうございます!) 【目次】
まえがき
目次・注意書き
1.ウィザードリィ/WIZARDRYについて
属性/職業/種族/呪文/城内施設(冒険者関連)/迷宮内での戦闘について/キャラクターの死について/迷宮内トラップ/敵の特殊攻撃/敵の出現について/宝箱の罠/アイテムについて/キャンプ/転職/転生
2.この物語独自の世界観について
テーマソング/地理/言語/歴史/神話・宗教/人間の特殊能力について/そのほかの風俗・習俗・慣行・価値観
3.登場人物紹介
参考文献
あとがき
ドイツミニ旅行記(フルカラー6頁)
ミュンヘン/ローテンブルク・オプ・デア・タウバー/ヴュルツブルク/ハンブルク&リューベック/ベルリン&ポツダム
★★★一部試し読み★★★ 1.ウィザードリィ/WIZARDRYについて
ウィザードリィ(以下、本誌においてはWIZで統一)とは、アップル社(米)、アスキー(日)などから発売された3DダンジョンRPGです。
ゲームの歴史の詳細などについては、他の同人誌やサイトをご覧頂くのがよろしいかと思いますが、ざっくり説明すると、このゲームの基本は3DダンジョンRPGであり、ベースのストーリーは一応用意されているものの、そこからの設定(プレイヤーのヲタク的な妄想とも言う)は自由に考えることができます。ゲーム画面にはキャラクター用のグラフィックなど存在しません(初期作においては性別の設定すらありません)ので、どのような容姿なのか、どのような出自なのか、主人公は誰なのかなど、考えるぶんには自由です!
キャラクターは、一つのROMの中に最大20人を作成でき、その中から6人を選択しダンジョンを探索することになります(タイトルにより作成人数等に違いがあります)。
キャラクター登録の際、属性(善、悪、中立)・職業(戦士、魔術師等)・種族(人間、エルフ等)を選択することになります(タイトルにより異なります)。
以上のように、非常に自由度が高いゲームであり、妄想力が高いプレイヤーだと大変なことになります(笑)。
【職業】 (ここでは上級職のみ紹介)
〈上級職〉
・ロード(君主)/Lord(Lor)
僧侶系呪文を操ることができる聖なる剣士。あらゆる点において能力の高い者でなければこの職業に就くことは難しい。「聖なる鎧」というロードにしか装備できない神具が存在する。善の戒律の者しかロードにはなれない。 私の設定では、初めからロードになれる者は王族・貴族などの高貴な血筋の者が大多数で、平民がロードになるには「転職」(後述)を行わなければ難しいとしている。
この物語では、実際の国の元首=君主との差別化のために「ロード」という呼称を使用する。
・侍/Samurai(Sam) 魔術師系呪文を操ることができる、東方の流れを汲む剣士。運の良さ以外のあらゆる点において能力の高い者でなければこの職業に就くことは難しい。「村正」という侍にしか装備できない刀が存在する。悪の戒律の者は侍にはなれない。
・忍者/Ninja(Nin) 東方の流れを汲む、体術を得意とする者たち。クリティカルヒットという一撃必殺の技を繰り出せることができる唯一の職業。ロード以上にあらゆる点において能力の高い者でなければこの職業に就くことは難しい。また、経験を積んだ者は武具を必要としなくなる。悪の戒律の者しか忍者にはなれない。
・ビショップ(司教)/Bishop(Bis) 魔術師系呪文及び僧侶系呪文を操ることができる者たち。また、迷宮内で発見した宝を識別(どのようなものなのか確定する行為)することができる。知性と信仰心が高い者であればこの職業に就ける。中立の戒律の者はビショップにはなれない。
この物語では、実際の聖職者=司教との差別化のために「ビショップ」という呼称を使用する。
【地理】 もっとも特筆すべき点は、「真WIZ」などに登場する「エセルナート」を使用していないことと、この物語「機能不全」の舞台であるWIZ1の舞台がリルガミンではないこと。
私のWIZ世界の地理のモデルは、地球……。参考資料はgooglemap!!
①トレボー王国/ヘミスフェーレン
モデル:ドイツ(トレボー王国の中心地は北ドイツ)
・地理的位置 “旧大陸” (モデルはユーラシア大陸)の西側に位置する国家がヘミスフェーレン。首都は、もともとは南の方にあった(モデルはミュンヘン)。
地理的に最も近いのは北に位置するヤーロン王国。南西の海を隔てたところには、トレボーに滅ぼされたアル・ンッラー国がある。西では魔法王国リルガミンと国境を接している。東からは騎馬民族が盛んに侵入を行なおうとしている。
・政治形態 ヘミスフェーレンは、基本は帝政(神聖ローマ帝国のイメージ)。ヘミスフェーレン王は厳密に言うと「王」ではなくて「皇帝」。国内に「領邦」と呼ばれる貴族(「領邦主」という。他国の「領主」とほぼ同義)たちの領地があり、それを一つにまとめているのがこの国の皇帝。皇帝は「選定侯」(「選帝侯」をもじっただけで、誤字ではない。歴史用語は「選帝侯」なので、試験などでは間違えないように!)と呼ばれる10人の貴族と高位聖職者によって選出される。よって、王権はあまり強くなかった。
しかし、ワードナの迷宮ができる数十年前、ヘミスフェーレンの北に突如として登場したのがトレボーで、彼はあっという間にこの国全体を掌握し、自らの直轄地がある北方に実質的に遷都、国名も「トレボー王国」と変更(この時点でヘミスフェーレンは国名というよりは土地の名、という感じになる)。トレボー死去後は、「トレボー王国」は事実上瓦解し、再び国名が「ヘミスフェーレン」となる。
ヘミスフェーレンが帝政をとっているのは、単に、西方宗教の総本山である“帝国”大寺院、すなわち教皇庁との関係を含む歴史的な背景(はるか昔、たまたまヘミスフェーレンの元になる部族が、教皇から古代「帝国」の後継として冠を受けたという出来事)からであり、ヘミスフェーレン王が諸外国の統治者より勝っていることを意味しない。
【そのほかの風俗・習俗・慣行・価値観】
■死生観 出生率・死亡率・寿命などは、西洋中世とそれほど変わらない(おそらく、平均寿命は30代というところ。ただし、それを超えてしまえば比較的長生きできる者も多い)。ただし、この世界には呪文による蘇生が存在するため、「死」に対する人々の感覚は以下のようなものになる。