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【ライトノベル】ラルガメンテの福音 <読切シリーズ>

  • 草津-20 (ハイファンタジー)
  • らるがめんてのふくいん
  • ありすうちゃ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 182ページ
  • 700円
  • 2013/11/4(月)発行
  • あらすじ


    佐々木祐介が学生オケを引退、しいては大学卒業から早数年が経過した。 そんな彼も年に一回、同期と忘年会で飲む機会がある。 社会人となり、置かれた状況も変化していく中、変わらず音楽を続けている友人は少なくなっていった。 ホルン吹き佐々木祐介と彼の所属するアマチュアオーケストラ+OBオーケストラの活動を曲と共に表現。 一話完結形式の、全く新しいタイプのクラシックノベル、第三弾。

    <収録曲>
      ・チャイコフスキー 白鳥の湖
     ・フォーレ ドリー  ・ワーグナー リエンツィ序曲
     ・プレムル ディベルティメント  ・ブラームス ホルン三重奏
     ・ムソルグスキー(ラヴェル編) 展覧会の絵  ・ベートーヴェン エグモント序曲
     ・ショスタコーヴィチ 交響曲第五番
    <巻末付録>
      ・佐々木祐介と某大学オケ楽団史

    サンプル

     いわゆる大学のサークル活動である学生オーケストラは、基本的に大学三年の冬か四年の夏で引退する。僕達は、四年前の冬に引退した。趣味の範囲で行っていたこの音楽活動を、引退後も続ける人は……意外にも多い。市民オケやそれ以外にも有志によるアマチュアオーケストラは世の中にごろごろと転がっていて、実力の差はあれど、基本的には入団歓迎である。
     それでも、見知った仲間ともう一度やりたいと思う人は少なからずいる。そういった学生の団体を引き継ぐことが出来る、それがOBによる団体だ。
     僕と赤池はT大学OBオーケストラに所属を変更し、当然社会人の人もいるわけなので、日曜日に練習に来たというわけ。
    「もうそんな時間か……」
     胡坐をほどいて、僕達は部室を脱出した。

    -----

     楽器を構えたのはトランペットただ一人。
     それまで場に潜んでいたざわつきは一気に消え、空間をその音色が支配する。決して行進のようなメロディではない。けれどもそのひとつひとつの四分音符は、確実に『誰か』の足音を感じさせる。たぶん、始まりはひとりだったんだろう。重い扉をゆっくりと開ける。観音開きとなった茶色のそれが、その先に伸びる真っ赤な絨毯に映える。
     トランペットに他の楽器が重なった。部屋の中はまっすぐで、真っ白な両端の壁には額縁に入った絵画が並べられている。そのひとつひとつの絵が、きっとかけがえのないものなのだろう。男は、目を細めてそれを眺めた。
     彼以外に客はいなかった。個展の開幕は明日であり、画家の親友である男は先行してここへ訪れている。若いながらにも才能あふれる絵に触れたいと思いながらも、それは決して出来ぬと指先を宙にさまよわせていた。

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