1997年、少女は消えた。
1997年、渋谷から行方不明になった少女、立花加奈。一緒にいたと思われる世良田美頼だけが、千葉県内で見つかった。
2017年、美頼はその後、心身を病み、進学も就職もすることなく、命尽きようとしていた。
美頼は言った。
「カナは生きている」
警察官になった同級生の深川環の周辺で「タチバナカナ」という名前が浮上しはじめる。
そして、ある社会学者の自殺。
バラバラであると思われた出来事が「タチバナカナ」の名前の元に糾合していく。
「女子高生ブーム」を生き、「就職氷河期」「ロストジェネレーション」になった我々の時代を問う、衝撃のミステリー。