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絶滅危惧種

  • A-11 (純文学)
  • ぜつめつきぐしゅ
  • 大滝のぐれ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 176ページ
  • 600円
  • 2018/8/19(日)発行
  • 小学校のときの好きな人の嘔吐が忘れられない女は、大学のゼミ飲み会で、好きで好きでたまらない男の嘔吐を拝もうと奮闘する……!(西島くんの嘔吐が見たい!)
    他、斜陽のアクアショップで迎える諦めと終わり、顔を取り外した女と友人のささやかな復讐、「死」に怯える男とやりきれない青春など、ままならない日々を生きる絶滅危惧種たちのための短編集。

    15000~25000字程度の小説四編からなる作品集です。


    収録作説明


    ・顔をたずさえ(こちらから全編試し読みできます
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054886578002/episodes/1177354054886578026

    「それに腹を立てて大きな声をあげたほうが負けになるんだよ」

    とある理由から、地元にて中学時代の友人と再会することになったアラコ。しかし、その友人であるエリカは、顔を『取り外して』いた。思い出をなぞっていくなかで見えてくる、彼女たち二人の通り過ぎてきた地獄とは。

    顔を取った女とその友人がおこなう、ささやかな復讐と清算の話。

    ・飲み込まれるムジカ
    「ちょっと踏み外せば、簡単に見えるものなのに。お前らが踏み台にしているものが、いかに情けなくてやるせなくて、醜いものなのかということが」
    ショッピングモールのトイレの中。主人公ヒロセは突然『死』の光景と恐怖に苛まれて動けなくなってしまう。その日を境に、彼の周りで溜まっていた淀んだものが溢れ出していく……

    多くの人が触れていたはずなのに見ないふりをして忘れていく、暗くて淀んだ青春。

    ・死にゆく魚と水槽の距離
    「扱う命は全て商品だから、適切な距離を保たないと潰れてしまうよ」
    潰れかけのアクアショップ。きらきらしていた過去の思い出と、やるせない気持ちをかかえながら、主人公はそこでバイトをしていた。そんな彼女の前に、ある日『サイフォンマン』が現れて……。

    斜陽のアクアショップで迎える、諦めとなにかの終わり。

    ・西島くんの嘔吐が見たい!※作者イチオシ
    「見てろよ西島くん。今日こそ必ず、お前が思いっきり嘔吐する瞬間を拝んでやる」
     小学生のときに見た、好きだった男の子の嘔吐が忘れられない主人公セリカ。しかし大学にて、その気持ちを甦らせる人物、西島ケイが現れる。そして迎えたゼミ飲みの日。セリカはお酒が苦手な彼の嘔吐を(合法的に)見ようと奮闘する。次から次へと波乱が起きる中、ゲロを求め奔走する、セリカの運命は……。

    最高に汚い、愛についての話。


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