こちらのアイテムは2019/3/21(木)開催・第8回 Text-Revolutionsにて入手できます。
くわしくは第8回 Text-Revolutions公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

手向けの花は路地裏に

  • B-02 (ハイファンタジー)
  • たむけのはなはろじうらに
  • 蒸奇都市倶楽部(シワ)
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 384ページ
  • 1,000円
  • http://steamengine1901.blog.f…
  • 2016/3/21(月)発行
  • おすすめ!

    〈蒸気都市〉帝都は世界随一の規模を誇る大都会だ。
    街は科学の恩恵に支えられ、人の暮らしには蒸気機関が欠かせない。
    だが、こうした大都会には往々にしてひずみが生じやすいものである。
    それはときに貧富の差の拡大という形で路上生活者を生む。
    それはときに非合法組織の隆盛という形で人々に牙をむく。

    愚連隊〈戎〉の下っ端の少年、早駆けはスリに失敗し、その憐みに十円金貨を投げかけられる。
    一枚の金貨。それは少年の夢を叶えるに十分な額だった。
    もっともかつて夢を見た仲間はもういない。
    一枚の金貨が見せる夢。それは少年を熱く暗い思い出へといざなう。
    全てを燃やし尽くされたあの夜を。少年を愚連隊に追いやったはじまりを。少年を殺さず生かした男への恐怖を。
    親しい者は奪われた少年に復讐の気概はない。彼は敗残者だ。
    それはけして消え去ってはくれない、刻みこまれた記憶。

    敗残者の臭いは過去を語らずともにじみ出てしまうものらしい。
    特に路地裏でのさばっているような連中は、他人の弱みに鼻が効く。
    愚連隊の面々は彼を侮蔑する。スリに失敗し、足を引っ張る彼を見下して優越感を糧にする。
    少年はますます他人に八つ当たりがしたくなる。
    早駆けは度胸を示すために喧嘩を売る。その軽率が帝都最悪の組織〈結社〉の尖兵を招いてしまうとは考えもしないままに……

       *

    〈戎〉を傘下に収める非合法組織、誠道会は、落ちぶれた自組織を盛り返すため、信越商会に商談を支援をあおぐ。
    商会の軽井沢は落ちぶれた相手の行く末を夢想して楽しむ女だ。彼女のふとした残酷な思い付きから、誠道会では内部抗争が勃発してしまう。
    〈結社〉の幹部《機関卿》が動きはじめているとも知らず。

       *

    早駆けの前に現れたのは坂上、坂下と名乗る探偵であった。
    いま見たものは忘れろ。
    そう言う探偵であったが、早駆けは記憶がけして消えないことを身をもって知っていた。刻みこまれた記憶。忘れてはならない経験。目を背けたくなる事実。
    「忘れられるわけねえだろ」
    敗残を脱するにはどうすればいいか、決断には未来がかかっている。

       *

    人の数だけの思惑を乗せた歯車が不協和音をたてて回り、全てを容赦なく巻きこみ、自壊していく。
    否応なく引きずられていく早駆け。彼が行きつく先は果たして――。

    帝都で起こった『《正義の人》騒動』を描く長編、

    〈蒸気都市〉帝都 ~幻影の双貌篇~

    手向けの花は路地裏に


    ◇作品概要

    スチームパンク“風”を旗印に活動しております蒸奇都市倶楽部の長編です。
    愚連隊に属する早駆け少年を主軸に、様々な者の身勝手な思惑が絡み合い、
    もつれあい、やがて誰もが大きな事件に巻き込まれる。そんな作品です。

    試し読みは当倶楽部のブログ記事をご覧ください。 
    http://steamengine1901.blog.fc2.com/blog-entry-55.html

    本文は18行×40文字、12級
    「手向けの花は路地裏に」は文庫判384ページのボリュームでお送りします。
    頒価は1000円ですが、中身も厚さも高いとは思わせません。
    ぜひ一度お手に取ってみてください。

    表紙・挿絵・カバーデザイン:へっぽこタルト

    ◇シリーズ「幻影の双貌篇」について
    本作から一部の作品に「幻影の双貌(ソウボウ)編」とシリーズ名がつきます。
    サークルが同一の作品世界を扱う上での区分上の処置でして、
    作品そのものは続き物ではありません。
    「幻影の双貌編」は作中の敵役〈黄金の幻影の結社〉の最終目標とされる、
    〈混沌なる黄金〉および〈結社〉の暗躍に焦点をあてた連作群を指します。
    シリーズ概要、解説等の詳細は蒸奇都市倶楽部のブログ記事をご覧ください。
    「幻影の双貌篇」(蒸奇都市倶楽部 電子広報)

    感想もいただいております。
    http://text-revolutions.com/event/archives/4130

    ◆関連作品をWeb掲載
    本作の前日譚にあたります『路地裏の花は人知れず』
    『また咲く日を恋う』を「小説家になろう」様に掲載しています。
    先に読んで雰囲気を把握してみるのもいいかもしれません。
    (下記リンクから「小説家になろう」の作品扉ページへ飛びます)
    路地裏の花は人知れずhttp://ncode.syosetu.com/n3131dq/
    また咲く日を恋うhttp://ncode.syosetu.com/n4195dq/





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