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翼交わして濡るる夜は

  • A-21 (現代)
  • つばさかわしてぬるるよは
  • 柳田のり子
  • 書籍|A5
  • 100ページ
  • 400円
  • 2018/7/16(月)発行

  • 恋愛を怖がるようになってしまった司のために、僕は優しい友達のふりをする。

    でもこの関係、いつまで続くのだろう?

    ボケ×ボケのボケ倒しグルメBLです。

    「贋オカマと他人の恋愛」の続編でもあるのですが、主人公が変わって全く新しい物語が始まるので、この本だけでも問題なく読めます。「贋オカマと他人の恋愛」の主要人物である七瀬や周平や克巳やメグは、脇役として登場。両方読むと彼らのその後が分かってより多く楽しめますよ、というだけです。ご安心を。

    【本文抜粋】
    「司、これ半分食べられる?」
     僕はメロンをかかげて見せる。
    「けっこう大きくない?」
    「無理?」
    「ううん、食べられる」
    「じゃあ切るからチャーハン先に食べてて」
     メロンを半分に切ってスプーンと一緒に出し、僕も高菜チャーハンを食べ始める。
    「メロン、種は自分で取ってね」
     司は顔を上げた。唇に米粒を付けたままなのがメチャクチャ可愛くて、僕は突然泣き出したいような気持ちになった。でも我慢した。力を振りしぼって何でもないふりをした。
    「翼って一人暮らしなんだよね」
    「うん。……唇にお米付いてるよ」
     司は近くにあったティッシュで口を拭いた。少しホッとする。
    「どうしてこんな贅沢出来るの?」
    「贅沢?」
    「メロンって高いんでしょ。自分で買ったことないから値段は知らないけど」
    「母親が送ってくるんだよ。一人でダンボール一箱分のメロンを食べたら、いくら好きでも飽きるよね」
     メロンは熟れ過ぎて、少しお酒になってしまったのではないかと思うような香りが立ち昇っている。

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