【概要】
伝説のドレス職人……の妻が旦那の遺志をつぐように始めたドレス工房。そのとある一年の話。
という話が詰まっている、童話風(超)短編連作小説。ちいさめの手製本です。
テキレボ7の有志企画「横のつながり」参加作。
発行日から二年ほど立っているため新装版にして頒布します。
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【本文サンプル】・一話が(超)短編のため収録話の一つをまるまる載せてます。
雨雫が水たまりにいくつもの波紋を作っています。この街に潤いをもたらす水は、あじさいを鮮やかに咲かせています。
今しがたお帰りになったお客さんは、わたしの仕立てたレインコートと「おまじない」を纏って街へ続く道を軽やかに駆けだしていきました。その姿は曇り空の日々にも映える花そのもののよう。
本来わたしはドレス以外は専門外なのですが、たまにはいいかしらと依頼を受けてしまっていたのです。例えるなら、あじさいの色変わりのようなものだったのかしら。