志賀直哉の小説「城の崎にて」が生まれた兵庫県城崎温泉の名旅館「三木屋」に、2018年1月、創作文芸のお仲間と一緒に泊まり、この経験をもとに、有志で作品集をつくることになりました。
しかし、参加者が普段書いているジャンルは、ミステリ、SF、純文学… とバラバラ。
同じ材料を使って、何通りの「城崎にて」が仕上がるのか…。
それぞれの調理のクセやジャンルの特性、風味や触感の違いを、ご堪能ください。
≪執筆者・作品内容≫
森村 直也(ジャンル:SF)
「城崎ヴァーチャル」
仮想案内人が闊歩する城崎で、「私」は「サツキ」と再会した。
テクノロジーが描き出す現実と非現実、そのせつない断面。
あずみ(ジャンル:純文学)
「城のさき」
かつて同じマンションに住んでいたママ友6人と、城崎へ。
それぞれの人生。あの時言えなかったこと。苦い郷愁が薫る、50代の女子旅。
堺屋 皆人(ジャンル:ミステリ)
「『城の崎にて』殺人事件」
文学作品解読シリーズ「江戸川悠の考察教室」の"僕"と毒舌小説家が
城崎で殺人事件に遭遇!? コンビを組んで事件を解決? 必見スピンオフ!
柳川 麻衣(ジャンル:純文学)
「城崎感傷旅行」
瘡蓋を剥がすような痛みとともに。大人の友誼、一瞬の交わり。
初めて城崎を訪れることとなった著者の、旅にまつわる随想。
*
観光名所や、旅館の内装、食事内容など、
実際に見聞きした共通のモチーフを取り込みながら
まったく色の異なる作品が四作出揃いました。
著者の五感の仕組みや、感性や人生経験、好きな作品の傾向やジャンルによって
ほとんど同じインプットが、まるで違うアウトプットになる…
ということがわかる一冊です。
読めば城崎温泉に行きたくなる。行った気になれる。読む旅行を、お楽しみください。
※残部少ないため、お申し込み多数の場合、ご用意できないことがあります。
あらかじめご了承くださいませ。
※テキレボEX特典として、100円お値引きした後の価格となります。