俺、小金井ユウマ、私立アスパラ学園に通う高校一年生。俺が住んでいる街・新プリヶ丘には、他の街と同じようにプリパラがあって、男子も女子もみんなプリパラに夢中なんだ。年頃になれば誰にでも、プリチケが届く。プリパラは、男の子のためのプリパラ・男プリと、女の子のためのプリパラ・女子プリがあって、プリチケを持ってプリパラに行けば誰でも『なりたい自分』つまりアイドルになれるんだ。「プラジルへ!? らぴん☆とうさぎ♪のチーム結成!」 野堀ゆん
プラジル、プリオデジャネイロ――初めて降り立った南半球の土地は、祭りを前に高まったエネルギーがあと少しで爆発するような雰囲気に包まれていた。一年のすべてを捧げるその日に向けて、現地の人も、遠方から来た人々も、わくわくと緊張の入り乱れた顔をしている。勢いで有給を消化して飛び出してきてしまったけれど、よくもまあカーニバルの時期に飛行機とホテルがとれたものだと思う。
プリパラに行きたくない。ただそれだけの思いで日本を飛び出してきた。このまま引退してしまっても構わない。私一人いなくなってもきっと誰も気づかない。
そう思っているはずなのに今、私はプリズムストーンの前に立っている。