親戚の子、ミホを夏祭りへと送り出すときに、瑠衣子は防犯ブザーを彼女に持たせた。それは瑠衣子が「あること」を恐れていたからだった。
窓の外で雷鳴が轟き夕立が降りしきる中、瑠衣子は自身の犯した過ちを思い出す。
もしミホが同じ過ちを犯すことになったら、自分はどうするか。
あのときの自分は何が欲しかったか。
今はもう誰も知らない、瑠衣子の「陰」の話。
「夕立」の主人公ミホの親戚のお姉さん、瑠衣子が主人公となっている作品。
彼女は陰となる過去とどう向き合うのか。
「夕立」とセットで読んでいただきたい一冊です。