こちらのアイテムは2017/10/28(土)開催・第6回 Text-Revolutionsにて入手できます。
くわしくは第6回 Text-Revolutions公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

一緒に歩こう

  • 委託-01 (2次創作)
  • いっしょにあるこう
  • 鳴柳綿絵
  • 書籍|A5
  • 40ページ
  • 400円
  • 2017/5/3(水)発行
  • 月刊少女野崎くん 堀×鹿島の本です。
    二人が中学生という設定で、一緒に部活したり付き合い出したりする話です。二人とも同じ中学校という捏造設定があります。
    コミックス8巻のゲーマーズ特典ネタを少し含みます。
    以下にサンプルを掲載いたします。内容はpixivサンプルと同じものです。冒頭と途中から抜き出しています。

    **********

    「お兄さん、落としましたよ」
     声と共に、生徒手帳を差し出される。
    「ああ、悪い」
     相手の顔を見ながら、それを受け取った。小学生みたいだが、随分とイケメンだ。将来有望だな。
    「あの、お兄さん? 私の顔に何かついてますか?」
    「えっ、ああ、いや。なんでもねぇ」
     そいつが、俺の生徒手帳へ目を向ける。
    「その学校、私も来年から通うんです」
    「おまえ小六か。なら、校内で会うこともあるかもな」
    「そうですね。その時はよろしくお願いします!」
     満面の笑みで、そいつが頭を下げた。
    「じゃあ、私はこれで」
    「ああ。拾ってもらって悪かったな」
     立ち去っていくそいつの背中を見送る。赤いランドセルが揺れるのが目を引いた。ん? 赤いランドセル?
     そうかあいつ、イケメンだけど女だったのか。声は高かったけど、小学生ならだいたい声変わりしてねぇから、普通に男だと思ってた。
     それにしても、来年から同じ学校か。またあの顔が見れるのかと思うと、少し楽しみだ。そうだ、演劇部にスカウトしとけばよかったな。演技経験がなかったとしても、見た目だけでじゅうぶん華やかだし。
     あいつが向かったのと、逆方向へ歩いていく。別の部に入られる前に、あいつを確保することはできるのだろうか。


     春が来て、俺は中学二年生になった。一年生が体験入部をする時期になって、部活をやってる奴らはみんな浮足立っている。今年から「先輩」になる二年生は特にだ。
    「部長。ちょっと俺、外で一年生に声かけてみようと思うんですが」
     部長が俺を見て、眉を寄せる。
    「そうだなぁ。確かに運動部なんかが人気だし、人前で演技するなんて恥ずかしいって言って、自分からは来てくれない子も多いし。そうしたほうがいいのかもな。じゃあ堀、頼んだぞ」
    「はい」
     軽く頷いて、部室を出る。下駄箱で靴を履き替えて、校舎の周りを歩き始めた。あちこちで他の部が呼びかけをして、一年生の目を引いている。俺も負けてらんねぇな。
     息を吸い込み、口を開く。
    「あれ、お兄さん」
     声に振り返ると、見覚えのある奴が立っていた。相変わらずのイケメン顔で、俺に笑顔を向けてきている。
    「おまえ、あの時の」
     そいつの笑みが深まった。

    (中略)

    「やった、堀先輩の連絡先ゲット」
     小さく笑うそいつに、息をついた。
    「何がそんなに嬉しいんだ」
    「えーだって、先輩の番号ですし」
     意味わかんねぇ。
    「なんで俺の番号ってのが、そんなに嬉しいんだ」
     鹿島が頬を膨らませた。
    「先輩、意外と鈍いですね」
     そいつが距離を詰めてくる。
    「好きです」
     は?
    「誰が誰を?」
    「私が、堀先輩をです」
     真剣な瞳が俺を見た。
    「初めて会った時から、先輩と同じ部に入るつもりでした。もっと先輩のことを知りたいし、先輩に近づきたいです」
     そうか。ほとんど演劇経験ないのに演劇部に興味を持ったのも、ヒロイン役を渋ってたのにすぐ手のひらを返したのも、そういうことだったのか。
     鹿島の視線が突き刺さる。早く答えないといけない。
    「俺、は」
     本当に恋しているように振る舞っていたこいつから、目が離せなかった。他の奴がこいつとラブストーリーをやるなんて、演技でも嫌だと思った。それって多分、つまり、
    「俺も、おまえのことが好きだ」
     鹿島の表情がやわらいだ。目を見開いたそいつが、満面の笑みで手を握ってくる。
    「嬉しいです! これからよろしくお願いします!」
     苦笑して、そいつの手を握り返した。
    「こちらこそ」

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になるサークルを記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じサークルのアイテムもどうぞ

一緒に歩こう望んでいるのは

「気になる!」集計データをもとに表示しています。