たとえば、カボチャのスウプとお米のチップス
二〇一七年、私のヌーヴェルエール初めは一月八日のランチでした。
黒い大棗のような器の、蓋の上にはお米のチップス。緑色の粉末はカボチャの皮をパウダー状にしたものだそう。しっとりと細かで本当にお抹茶のようでした。お米というのが餅にも思え、新年を感じます。棗の中身はカボチャのスウプ。前菜で出てきてもおかしくない。
そういえば、好きなレストランではアミューズらしからぬアミューズが出るように思います。もとい、お楽しみの意で文字通りアミューズですね。
あるいは、サブレ・サレ
ディナーのアミューズで好きなのが、サブレ・サレ。
サブレ。仏語で砂という意味。お菓子のサブレもクッキーと比べて食感がザクザクしていますがヌーヴェルエールのサブレに比較は不要です。
口に含んだ途端にほどけてしまう。潮に濡れてかろうじて形を保っていた砂が記憶をなくしてしまう瞬間に立ち会うようです。
こんなに甘美に砂を噛む日が来ようとは夢にも思いませんでした。