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夜さりどきの化石たち

  • 委託-11 (SF)
  • よさりどきのかせきたち
  • 佐々木海月
  • 書籍|B6
  • 50ページ
  • 300円
  • 2014/05/01(木)発行
  •  

    少年ふたりが雪の夜にフラフラと出歩きながら、とりとめもなく言葉を交わすお話。
    化石のこと、太古の海のこと、
    夏に生き秋に死んでいった虫たちのこと、
    にせものの夜空のこと。

    試し読みページ(画像版):
    http://rosette-nebula.boy.jp/europa/02_books/sumple_book01.html

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    (本文より)

    「海の底にいるみたいだ」
     ヨサリが呟いた。凍えた唇から、白い息がわずかに零れた。そして、それはそのまま、夜に融けていった。
    「海の底に、雪は降らねえだろ」
     ユウは言った。かじかんだ指をすり合わせながら、空を見上げる。真っ黒な空から、雪が絶えることなくおりてくる。吸い込まれるような感覚に、一瞬、目眩がした。
    「降るよ」
     ヨサリは言う。
    「海の底にも、雪は降るんだ」
     見たことはないけれど、と、同じように空を見上げて言う。そして、降りしきる雪を受け止めるように、両手を差し出した。
     ユウは、胸中でため息をついた。
    (海の底だって?)
     テレビのニュースでは、半世紀に一度の大雪だと言っていた。浮かれるのも仕方がない。けれど、夜遅くにふらふらと出歩くのは、浮かれ過ぎではないかと思った。
    (分かりにくいんだよ、お前は)
     ユウは、ため息をついた。
     ヨサリは穏やかな表情のままで、囁くような声で、目一杯はしゃいでいるつもりなのだ。それを「大人びている」などと表現するのは、きっと間違いだ。ただ、彼はこの暗く深い夜に、彼なりに気をつかっているのだ。


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