彼女たちの『女王』が死んだ。
謀略に彩られた遺言にしたがい、
少女人形の継承がはじまる。
名跡の当主、ロデリンダが死んだ。齢十八歳の、うら若き姫君だった。
『私に集約された我ら一族の財産権利に土地館、そのすべての動産不動産は、私の形代である、姫君人形を導としてのみ、相続することを許します。すべては、末代に至るまで』
そんな奇妙な遺言を受け入れた名家の遺族たちと、選ばれた『女王』の後継者。
手に手を取って踊れる彼らとそしてもうひとり、まさしく渦中の存在である、少女人形が物語る――これは二百年にわたる、たったひとつの恋の顛末。
(覆面作家企画7参加作品の大幅加筆修正版です。前半部分は企画サイトでも試し読みできます)