こちらのアイテムは2017/10/28(土)開催・第6回 Text-Revolutionsにて入手できます。
くわしくは第6回 Text-Revolutions公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

氷室開きて

  • 委託-04 (2次創作)
  • ひむろひらきて
  • キウリ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 36ページ
  • 500円
  • 2017/10/28(土)発行
  • 刀剣乱舞非公式二次創作小説本。前田家ゆかりの刀剣中心。

     金沢に残る風習「氷室開きの日」と「氷室の日」を持ち込んだ、とある本丸の様子を描いた作品。

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    ■氷室開きて、光さす。

     薄暗く肌寒い竪穴の小屋。言い出しっぺの刀と暇な刀たちと部屋からむりやり引っ張り出された刀は、小屋に敷きつめられた雪氷を切り出しては荷車に積んでいた。
     引っ張り出された刀は問う。

    「この小屋は何だ? 厨に立派な冷凍庫があるのに、なぜ雪を詰めて保管しているんだ?」
    「ここは『氷室』です」

     言い出しっぺの刀が答え、とうとうと説明を始める。

    「加賀前田家は氷室で保管した雪を毎年水無月の朔日――今の暦では七月一日になるのですけど――その日、徳川将軍家に雪を献上していたのです」
     お教えしたかった。同じ前田家の刀。愛染や平野は知っていること。だけど、大典太さんは知らないこと。


    ■氷室開きて、風とおる。

     遠征から帰還した平野藤四郎は、本丸じゅうに漂う甘い香りにきづく。

      みなが「どうしたんだろうね?」とふんふん鼻を鳴らす中、僕にはすぐその理由が思い当たった。
     今日は七月一日――水無月朔日。

     菓子づくりを手伝う平野だったが、厨を離れてひとりになったときある想いが去来する。
     中庭へ続く階段に腰かけてもの想いにふける彼に、ある刀が声をかけた。

    「そんなに頭振ってたら、目ぇ回しちまうぜ?」


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     実はpixivで全文公開しています。ちょこちょこ改稿してはいますが、展開自体は同じです。「地元の刀の話を書けたヒャッハー!」記念に製本いたしますので、pixivでご覧いただいて「本の形でほしいなあ」と思ってくださった方にお手に取っていただければ幸いです。

     また、『~光さす。』はpixiv版・アンソロ版・製本版の3パターン、『~風とおる。』はpixiv版・製本版の2パターンが存在することになりますので、「他の書き手がどういうふうに改稿していくのか興味がある」というマニアックな趣味をお持ちの方は、「ここはこう変更したのか」とか「ここは前の方がよかったんじゃないか」とか見比べると楽しい……かもしれません。

    ■pixiv版:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8360405#chapter_1_0
    ■アンソロ版(『~光さす。』のみ):http://text-revolutions.com/event/archives/6563


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