こちらのアイテムは2017/10/28(土)開催・第6回 Text-Revolutionsにて入手できます。
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白樺の牢獄

  • A-04 (恋愛)
  • しらかばのろうごく
  • 宮崎 笑子
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 310ページ
  • 1,000円
  • 2017/04/01(土)発行
  • ――どんな手を使ってでも、死んでもきみを手に入れる。

    恋人を親友に寝取られて荒んでいた多英は、定期を拾ってくれた男・平野和成と出会う。
    白樺のような指を持つ頼りなく儚い雰囲気を醸す彼との距離が縮まるのと時を同じくして、多英に忍び寄る恐怖の影。
    ひたひたと迫りくる不気味な影に怯える多英を救うのは――?

    全私が震撼した、サイコパスイチャイチャラブストーリー。
    優男まとめ参加作品。
    ※webの再録(加筆修正済)、+未公開番外編一編収録。

    本文チラ見せ
    「わたしの連絡先聞いて、どうするんですか?」
    「どうするって?」
      のほほんと聞き返されて、言葉に詰まる。どう言おうか数秒悩んでいるうちに、和成さんは何か心得たように口をおの字に開いた。
    「これはれっきとしたナンパですよ」
    「へ?」
    「あはは」
      ナンパという行為と和成さんの儚げな印象がどうも合致せずに、馬鹿みたいに聞き返してしまう。手の中で携帯をもてあそびながら、彼はくすくすと笑みを滲ませる。
    「俺だって可愛い女の子がいたら、連絡先くらい聞きますよ」
    「かわ……」
    「それで、たまには電話してその声を聞いて、どんな顔で通話してるのか想像して満足するんです」
      ちょっと生々しい。なんだか気まずくなって、少しぬるくなったミルクセーキのプルタブを起こして飲み口に唇をつけると、和成さんが少し背中を曲げて覗き込んでくる。
     「駄目ですかね?」
    「……だ、めじゃないですけど……」
      携帯の電話番号を交換して、彼はそれこそ満足げに画面を見つめた。いたたまれなくなり、わたしはそそくさと彼の番号が登録された携帯を鞄にしまい込んだ。
    「メッセージも、個性が出ていいですけど、俺は文章より肉声派なので」
    「は、はあ」
    「厳密には機械を通しているので、肉声とは言わないかもしれないですけど」
      肉声、という言葉が一瞬すっと脳内で漢字変換されずに戸惑う。ほんとうに彼は電話をしてくるのか、それともこうして知り合って連絡先を儀礼的に聞くまでが彼にとっての様式美なのか、分からない。
     その携帯にはどれくらいナンパした女の子の連絡先が登録されているのだろう。なんとなくそんなことを考えて、もちろんこうして声をかけられるのがわたしだけではないと分かっているのだけれど、わずかばかりつまらない気持ちになる。
      このあと授業が中途半端に一コマ空いているわたしは、急いでこの場を去る必要もないのだけれどなんとなくいづらくて、どうしようか、と思っていると彼があっと声を上げた。

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