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ひとさじの幻想曲2

  • D-16 (ライトノベル)
  • ひとさじのげんそうきょく つー
  • 轂 冴凪
  • 書籍|A5
  • 28ページ
  • 300円
  • 2016/10/08(土)発行
  • フリーワンライ参加作品7作品に、書き下ろし1作品をまとめたSF短編集です。
    一部、2016年3月のテキレボ3にて白衣本ラリーに参加した際、コピー本として配布した作品が含まれております。

    収録作品→
    『GCAT184の子供達』(白衣本ラリー参加作品)
    『凍れるレディとお茶会を』(同上)
    『凍れるレディに口づけを』(同上)
    『香辛料を求めて幾光年』
    『太陽に憧れる星間移民船』
    『遊具』
    『揺蕩う姫は何を想う』
    『地球の香り』(書き下ろし・約6400字)



    【書き下ろし作品 冒頭】
     念願の惑星に降り立つと、砂埃が出迎えてくれた。荒涼とした大地に、延々と伸びる滑走路。小高い山を背景に陽炎が揺れ、生まれ育った惑星とは全く異なる地であることを、否が応にも思い知らされる。
     口に入った砂の感触に顔をしかめながら、宇宙港に入り、入星の手続きを済ませる。厳重な荷物検査と健康チェックを済ませた後は、ロビーを行き来する人の波をかき分けながら案内所を探す。
     タブレットを無人案内ロボットにかざすと、あっという間に惑星のおすすめスポットがずらりと表示された。宿以外、何も決めない一人旅。さて、どこに行こうか、とスライドさせながら眺めていた目が、ある一か所で止まった。
     バザール。聞き慣れない単語に、心が魅かれる。砂漠に広がるテントの列が、一枚の写真に収まっている。写真をタップし詳細を眺めると、どうやら日時を限定して個人が思い思いの品物を売る場所のようだ。慌ててこの惑星に合わせたばかりの時計を確認し、紹介ページの日程と見比べる。まさに今日の午前中、バザールが開かれる。まだ日が上ったばかりだが、既に店は開かれているらしい。気づいた時には空港の外に飛び出し、タクシー乗り場へと向かっていた。

     暑い。
     空港を出る前、タクシーの運転手にアドバイスされて買っておいた水が、既に容器の半分を切っている。自分の暮らす惑星はこれほど暑くなることはない、と運転手に伝えると、他の惑星からいらした方は、必ずそうおっしゃるんですよ、と笑い交じりの声が帰ってきた。
    「こんなに暑い星なのにねぇ、なぜか宇宙中の人と物とが集まるんですよ。丁度良い所に星を見つけたんですねぇ、昔の人は。ま、地球のことわざで、住めば都って言いますしね」
     車の多い、大通りらしき太い道路を、タクシーはひた走る。空に浮かぶ橙色の恒星は、ますます勢いを増している。もう一度水を口に運んだ。
    「お客さんはどちらから。……へえ、随分とまあ遠くから。宇宙船を乗り継いできたんじゃないですか。―ああ、やっぱり。あのハブ空港は良い所ですよね。よく昔の技術であれだけの建物を宇宙に作ったと、感心しますよ。軌道エレベーターで惑星まで降りてみました? ……あ、そこまで時間はありませんでしたか。知り合いがその惑星に住んでいるのですが、なかなか良い所だそうでして」
     運転手がつれつれと語りながら車を走らせる間にも、周囲の建物は少なくなっていった。砂の巻き上げる大地が建物の隙間から見え、遠くに揺れる草木の影が黒く浮かんでいる。

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