童話モチーフ短編集。
売れない服を抱えて疲れ果てた若い仕立屋は、雪のなかマッチを売る少女にジャケットを譲る。その縁で仕立屋のもとには仕事が舞いこむようになったが、ある日偶然再会した少女はあどけないまま娼婦になっていて……
マッチ売りの少女のもしもを描いた「雪を灯す」他、白雪姫、赤ずきん、ヘンゼルとグレーテルなどの童話をモチーフに、禁じられた蜜と甘い毒を綴った官能薫る4編。
「王子のくちづけ」
朽ちていくいのちに魅入られた王子は、森の奥で或るうつくしい死体に出会う。
「けものみち」
お気に入りの赤いずきんをかぶって、少女は歩き慣れた森をゆく。この道先に待つ結末など知らないままに。
「雪を灯す」
若い仕立屋はマッチを売る少女にジャケットを譲る。その縁で仕立屋のもとには仕事がくるようになったが、ある日再会した少女は娼婦になっていた。
「境界の森」ヘンゼルとグレーテルはとても仲のよい兄妹だった。それが血縁の愛情とは異なることを、おさないふたりは知っていた。
各話の冒頭お試し読みPDF(
http://border-sky.com/off/honey_sample.pdf)もございます。